Author Archives: 永井 潤子

福島の子どもたちへのベルリンの支援活動

チェリストのアンドレイ・イオニーツァ氏

ハインリヒ・ハイネの詩、「麗しき5月」の名にたがわず、ベルリンは今素晴らしい季節を迎えている。白や濃淡の紫のライラック、紅白のマロニエの花は咲き終わったものの、街中の広大な公園、ティーアガルテンには色とりどりのシャクナゲが咲き誇り、白いハンカチの木も見頃を迎えている。そのティーアガルテンにほど近い聖マタイ教会に先日の夜、美しいチェロの音が響いた。東北大震災直後から被災地の子どもへの支援活動を続けているNPO「希望」(Freundeskreis KIBOU)のチャリティーコンサートでのことで、今回はこのグループの活動を紹介する。

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ヨーロッパのエネルギー転換事情

このところヨーロッパ各国からエネルギー転換に関するさまざまなニュースが伝わってくる。欧州連合(EU)では、2030年までのエネルギー転換・気候温暖化対策である「クリーン・エネルギー・パッケージ」を成立させるため、目下、欧州委員会、加盟国政府、ヨーロッパ議会の3者の間で議論が進められている。そんななかで、先月伝わってきたエネルギー転換に関するいくつかのニュースをご紹介してみる。 続きを読む»

資源小国ポルトガル、再生可能エネルギーで大奮闘

化石燃料資源を持たない資源小国のポルトガルは、長年、輸入エネルギーによる大幅な貿易赤字に悩まされてきた。しかし、ポルトガルはヨーロッパの中でももっとも太陽に恵まれた国であり、水源も豊富で、海岸線も長く、オフショア風力発電にも適している。そうした自然の好条件に着目したポルトガル政府は、イベリア半島最大のオフショア風力発電所を作るなど、10年近く前から多様な再生可能エネルギーの推進プロジェクトを強力に押し進めてきた。その結果、早くも今年3月には、1ヶ月分の電力の総需要の100%以上の電力を再生エネルギーによって生産することができたという。 続きを読む»

ようやく成立した第4次メルケル政権

3月14日、水曜日の午前9時からドイツ連邦議会では、連邦首相選出の選挙が行われ、アンゲラ・メルケル氏(63歳)が4度目の連邦首相に選ばれた。これを受けてメルケル首相を含む16人の閣僚たちは、大統領府でシュタインマイヤー連邦大統領の任命を受け、その後さらに連邦議会での宣誓式に臨んだ。昨年9月24日の連邦議会選挙から171日目にして、ようやく新政権が成立したのだ。政権の樹立にこれだけ長い時間を必要としたのは、1949年のドイツ連邦共和国設立以来初めてのことである。連邦議会と連邦大統領にとって注目すべき日となったこの日の様子を、メディアの論調も含めてお伝えする。 続きを読む»

ようやく第4次メルケル政権樹立の見通し

難航していたドイツの新政権樹立へのプロセスは、ドイツ社会民主党(SPD)が最後のハードルを超えたことにより、一気に前進した。昨年9月24日の連邦議会選挙から6ヶ月近く経って、ようやく来週、第4次メルケル政権が成立する見通しとなった。最近の動きを振り返る。 続きを読む»