きょう9月24日、ドイツでは連邦議会の選挙が行われている。今回の選挙では保守のキリスト教民主・社会同盟のメルケル首相が勝利を収めることはほぼ確実視されているが、苦戦を強いられている対抗馬の社会民主党の首相候補、シュルツ氏がどこまで票を伸ばせるか、また、外国人排斥や難民反対を唱える右翼ポピュリズム政党「ドイツのための選択肢」が野党第一党になるかどうかが、最大の焦点になっている。今回の選挙では、42の政党が候補者を立てており、各種の世論調査によると、次期連邦議会では6政党が議席を占めると予想されている。6150万人の有権者の中には、最後までどの政党に投票するか、わからない人も少なくなく、そういう人たちが頼りにした一つの方法が、コンピュータによる投票決定サポート・システム「選挙・オー・マット(Wahl-O-Mat)」だった。 続きを読む»
新聞をめくっていると、真っ白い髭がトレード・マークだと言われるペーター・ベルトルド教授(78才)の写真が目にとまりました。教授はドイツの名高い鳥類学者の1人であり、エコロジストでもあります。その写真の下には「ドイツから野鳥が消えていく。ベルトルド教授よりもこの現象を詳しく知っているものはいない。しかし教授は諦めて何もしない人間ではない」というサブタイトルがついていました。 続きを読む»
ドイツのメルケル首相がベルリン在の新聞やテレビ記者を対象に毎年夏の終わりに行なう恒例の記者会見が、今年も8月29日にあった。 2年前の2015年に、押し寄せる難民の受け入れに関して「我々はやり遂げられます」と発言して有名になった記者会見だ。 その後、ドイツの難民問題はどうなっているのだろうか。メルケル首相の態度はどう変わっただろうか。順を追って見てみる。 続きを読む»
日本政府は7月28日、原発の使用済み燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分地に関する「科学的特性マップ」というのを発表した。このマップは、最終処分地の候補地探しの前提として、火山や活断層、地下資源の有無などの自然条件から全国を「好ましい」と「好ましくない」に大別したものである。新聞報道によって、全国の約65%が「好ましい」地域とされていると知って驚いた。世界中の原発所有国のほとんどが最終処分場を決められない中で、この65%という数字は、最終処分場を見つける困難さを示すものではない数字のように私には思えた。 続きを読む»
ドイツ、シュツットガルト市の行政裁判所は7月末「ディーゼル車の市内の走行禁止も認める」という判決を下した。ディーゼル車から出る酸化窒素が同市の空気を悪くしているからだ。ディーゼル車はドイツで登録されている車の50%弱を占める。走行が禁止されると自動車業界に大きな打撃を与えることになるので、この判決は大問題になっており、業界と政治が一体となって反対している。 続きを読む»
8月6日の広島への原爆投下の日にはベルリンでも、平和の鐘をつく記念行事や平和コンサートが行われたが、私は一人家で坂田雅子監督の映画「わたしの終わらない旅」を見て過ごした。坂田監督のこの映画は、母親の残した1冊の本をきっかけに、監督が原爆と原発について考える旅に出、その記録をまとめたものである。 続きを読む»