ドイツの森、日本の歌舞伎

まだ紅葉の綺麗だった晩秋の日本に里帰りしました。滞在中、どのような点でドイツの生活との違いを感じますかと、よく聞かれました。ふと思いついたことは、町中や庭の木の大きさと数の違いです。ベルリンはドイツ一の大都市にしては実に緑が多いです。これは一般に木が保護されているからでしょう。木を大切にするという思いが、自然を守る心につながっているのではないかとわたしは感じます。 続きを読む»

日本を見つめるまなざし 〜地下鉄での会話より〜

先日ベルリンで、日本人の友人と地下鉄に乗っていたときのこと。目の前のドイツ人女性が「あなたたち、日本人?」と話しかけてきた。いかにも親日派といった感じのこの女性と、私は楽しく会話を続けていたが、話があることに及んだ途端、会話はギクシャクとしたものになってしまった。 続きを読む»

メルケル首相と衆議院選挙の結果

日本で総選挙が行われた翌日の12月17日(月)中部ヨーロッパ時間の午後4時(日本時間、18日零時)から約1時間、ベルリンの首相官邸でメルケル首相と外国人記者協会との会見が行われた。年末の記者会見は前から予定されていたものだが、なぜか今回はいつもと違って制約があり、首相のステートメントのあと、世界の4地域から1問ずつ質問を許された。日本人記者団も代表質問で一つだけ質問することを許されたため、私たちはメルケル首相に日本の総選挙結果やそれに伴う日本が直面する問題についての感想を聞いたのだった。 続きを読む»

日本の総選挙に思うこと

ベルリンは今一面の雪景色。2−3日前に降った雪が13センチも積もったところがあるとローカル・ラジオが伝えていた。私が住むアパートの中庭では、雪だるまをつくったり、そりに乗ったりして遊ぶ子供たちの姿が見えるが、楽しそうな子供たちの姿を見るたびに私の胸は痛む。福島の子どもたちのことを考えるからだ。

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日本はどうなっていくのだろうか? あるオーストリア・ジャーナリストの問いかけ

「Japan レポート3.11」という本がある。裏表紙には、「日本が大好きなオーストリー・ジャーナリストが問う これから日本はどうなっていくのだろうか?」と書かれている。原題は Reportage Japan: Außer Kontrolle und in Bewegung - 訳せば、「日本レポート:制御不可能、しかし動いている」とでもなるのだろうか。オーストリアの女性ジャーナリストが2011年9月から名古屋市立大学に客員教授として日本に滞在した間、津波あるいは原発事故で今までの生活が一変してしまった福島県楢葉町、陸前高田、南相馬、福島市渡利地区などの当事者、学者、霞が関前の運動家、さらには名古屋市立大学の学生たちに行ったインタビューをまとめたものである。オーストリアは1978年11月5日の国民投票で原子力発電反対が過半数を占め、ツヴェンテンドルフに建設された唯一の原子炉は運転開始ができなかった。1999年には「核の放棄」が憲法で制定された国の「日本が大好きな」ジャーナリストが、インタビューを通じて3.11後の日本を描き出す興味深い本である。

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ベルリン~ロンドンの旅、持続可能な社会への取り組みメモ

年に平均27.5日、ドイツの有給休暇の日数はスウェーデンと並びEU諸国の中では一番少ないそうですが、夏になると大抵の家族は休暇をリゾート地で過ごします。目的地への道路が毎年渋滞するにもかかわらず、休暇を取る人々の52.8%がマイカーで旅行するそうです。それに続くのが36.1%の飛行機での旅行です。運ぶ荷物があったこと、時間をかけてゆっくりと気軽に移動したいなどの理由で、今回はマイカーでベルリン~ロンドンの旅に出ました。 続きを読む»