1989年11月にベルリンの壁が崩壊してから今年で30年、翌1990年10月に旧東西ドイツが統一して一つの国家になってから今年で29年が経った。その間、旧東ドイツ地域はどう変化しただろうか、ドイツ統一はどこまで進んだだろうか。ドイツ連邦政府直属の東部ドイツ担当官、クリスチャン・ヒルテ氏はこのほど『2019年度、ドイツ統一に関する政府年次報告書』を発表し、「ドイツ東部の状況は、一般に語られているよりずっと良好だ」との見解を明らかにした。しかし、統一は「まだ終着点に達していない」とも語った。
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この頃ドイツで、モビリティーという言葉をよく耳にする。直訳すると可動性だが、現在は、人がいつでも好きなところに移動できることを意味している。車や旅行が大好きなドイツ人にとって、このモビリティーは非常に大切で、これは彼らが近年勝ち得た生活の質の一つと思われているようだ。しかし地球温暖化が深刻になりつつある今、温暖化の原因である二酸化炭素を多く排出する交通機関、特に飛行機や大型乗用車が問題視されだし、もっと鉄道や公共交通機関を利用するべきだという声が上がっている。そんな中、ドイツ連邦環境庁が意外な調査結果を発表した。長距離の移動には、鉄道よりもさらにバスの方が少ししか二酸化炭素を排出せず、環境に最も優しい移動手段だというのだ。
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ドイツでは今年初めから、まだ学校に通う大勢の生徒たちが、毎週金曜日に授業を休んで地球温暖化対策を求めるデモ「Fridays for Future (未来のための金曜日) 」に参加し、盛り上がっている。「私たちの未来を奪わないで」と訴える彼らの声は大人たちにも届き、地球温暖化の最大の原因とされる二酸化炭素の削減は、政治的にもますます重要な課題となってきた。乗り物の中で二酸化炭素を最も多量に排出するのが飛行機だという事実と意識が一般に広まりつつあり、飛行機に乗るのは気が引ける、恥ずかしいという意味の「Flugscham(飛行機に乗ることの恥)」という言葉までできた。しかし、夏休みが始まってみると、どの空港も休暇に出る人たちで、例年以上に混雑している。皆はなぜ、飛行機に乗ることがやめられないのだろうか。どうすれば、飛行機の利用を抑えことができるのだろうか。活発なディスカッションが始まっている。
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ドイツ人が今、最も憂慮するテーマは気候変動問題だと言う。背景には、猛暑と干ばつの酷かった昨年のドイツの夏があるようだ。この冬もこの春も、気温は例年になく高く、雨も雪もほとんど降らずに、地面が極度に乾燥している地方は多い。そして市民は、これを気候変動の影響だと受け止めている。そこに、ドイツでも昨年末から始まった生徒たちによる気候変動対策の強化を求めるデモ、「Fridays for Future(未来のための金曜日)」が拍車をかけている。ここにきて、気候変動防止のために、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素をほとんど排出しない原子力発電の稼働延長を支援する声も聞こえてくる。原発を操業している電力会社はどう考えているのだろうか。
©️flightlog
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米ハワイ島の海抜3397メートルのマウナ・ロア山に位置するマウナ・ロア気象観測所でこの5月11日、415.26 ppmという大気圏の二酸化酸素の濃度が観測された。地球温暖化の主な原因である二酸化炭素のこのような高い濃度は、300万年以来存在しなかったという。この事実は、我々が世界規模で二酸化炭素の排出量を大幅に抑えなければならない必然性を目の当たりに示している。ドイツではこのところ、二酸化炭素削減のために「二酸化酸素税」を導入することの是非が話されている。
©️ Ian Britton
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地球温暖化の原因である二酸化炭素の排出を避けるために、いろいろな工夫がされている。その一つが、このほどドイツに登場したトロリーバスならぬ「トロリートラック」用のアウトバーンだ。人呼んで「E−ハイウェー」。ここでは、アウトバーンの車線の上に張られた架線から走行中のトラックに電力が供給される。それと同時に、トラックに搭載されたバッテリーも充電される。
©️Siemens AG/München Berlin
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