Author Archives: ツェルディック 野尻紘子

コロナ禍で弱気になったドイツの働き盛り

ドイツでは働き盛りの人たちのことをよく、ドイツ社会を支える「大黒柱」と呼ぶ。「中間世代」と言うこともある。この世代に属する人たちは約3500万人いる。彼ら、彼女らはドイツの就業者数の約70%を占め、その収入は総課税所得の約80%に達する。その人たちの半数が、このほど行われたアレンスバッハ世論調査研究所の調査で、コロナ禍で生活環境が悪くなった、将来に対する確信が薄れたと答えている。

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ドイツ企業が開発中の新型コロナウイルスのワクチン、効果90%以上!

ドイツのメディアは 11月9日一斉に、ドイツのバイオテクノロジー企業が開発している新型コロナウイルスのワクチンが、「最終の臨床試験(治験)で90%以上の有効性を示した」と大きく報道した。

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下がる再生可能電力促進のための賦課金

ドイツの消費者が電力料金に上乗せして支払う再生可能電力促進のための賦課金が来年、今年の1kWh当たり6.756ユーロ・セント(約8.3円)から6.5ユーロ・セント(約8円)に下がる。値下がりの理由は、消費者の負担を軽減するために、賦課金の一部が来年から税金で賄わられるからだ。背景には、ドイツで来年1月から二酸化炭の課金制度が導入されることがある。

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旧東独地域の環境汚染の昔と今

ドイツ政府が毎年ドイツ統一記念日である10月3日を機に発表する「ドイツ統一の現状報告」の今年度版に目を通していて、統一30周年を迎えた今、例えば、旧東独時代には最悪だった同地の環境汚染が、現在までに随分改善されているのに、それを強調する報道がほとんどないことにふと気づいた。嬉しいという人たちの声もあまり伝わってこない。聞こえてくるのはもっぱら、東西ドイツ間の給料に未だに差があること、政治家を除く行政機関の長や大学学長などに東独地域出身者がほとんどいないこと、昔は旧東独住民間の連帯が強かったなどということばかりだ。朽ちかかっていた町々が、まるで生まれ変わったかのように綺麗に修復されたことも話題になっていない。

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課題山積のドイツの自動車業界 ー 環境に優しい選択肢は何?

コロナ禍が原因でドイツの種々の業界が苦境に立たされている。一般市民に人気のある見本市やオクトーバーフェスト、イベントなど、大勢の人たちが集まる催し物は次々に開催中止を発表している。お天気の良かった夏には、店舗前の歩道や庭に出したテーブルが賑わったレストランや、休暇の季節でいくらか元気を取り戻したリゾート地のホテルなどの売り上げは、今のところ例年の半分以下と言われている。映画館やコンサートホールなど、コロナ規制のために入場客の数が従来の約4分の1程度に絞られている業界もあり、政府の資金援助があっても、この秋から冬にかけて倒産するドイツ企業は大きく急増するだろうと憂慮されている。そんな中、このほどドイツの基幹産業である自動車業界の代表が、連邦及び州政府の代表や労働組合関係者とビデオ会議を持った。同業界の苦境を乗り切るための話し合いになるはずだったのだ。

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ドイツの学校、心配な新学期のスタート

ドイツで、学校の新学期が始まりだした。この国の教育行政は州の管轄で、夏休みが始まるのも終わるのも州によって異なる。一番乗りは夏休みが6月22日に始まった北部ドイツのメクレンブルク・フォアポメルン州で、学校は8月3日から始まっている。これにハンブルクが8月5日、ベルリンなどが8月10日に続き、8月12日には人口の一番多いノルトライン・ウェストファーレン州で新学期が開始した。ドイツの学校は今年、コロナ禍のために3月半ばから一時全国で完全に閉鎖され、その後少しずつ不規則な授業が行われてきた。子供たち、親たち、教育学者、心理学者、そして経済界 ~ みんなが正規の授業を望んでおり、どの州も新学期からはコロナ以前の授業体制に戻る予定だが、先がどうなるかはまだ分からない。 続きを読む»