ベルリンにはfrei(フライ)という形容詞のついた公共施設がいくつかある。Freie Universität (フライエ・ウニヴェルズィテート)が良い例だ。freiというドイツ語の主な意味は「自由な」だ。だからFreie Universitätを日本語に訳すと「自由大学」となる。何が自由かというと、この大学は、学問と研究の自由の許されなかった東ベルリンの大学から分離して、学問、思考、そして言論の自由が保証された西ベルリンに設立された大学という意味だ。この大学が設立されたのは1948年12月4日のことで、それからこの12月4日で70年が過ぎた。そして、そのことを記念する式典がこのほど行われ、ルーマニア出身のドイツ系ノーベル文学賞受賞作家のヘルタ・ミュラーさんが「自由はとどまることを知らない」という祝辞を述べた。
ベルリン自由大学70周年記念式典で祝辞を述べるヘルタ・ミュラーさん ©Regina Sablotny
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フランスのマクロン大統領が11月27日「エネルギー転換に関する10年計画」を発表した。それによると、ドイツの国境に近いエルザス地方のフェッセンハイムにあるフランス最古の2基の原発は2020年の夏に操業を停止する。同原発は1977年に稼働を開始しており、すでに40年以上発電を続けているが、何度も大小の事故を起こしており、フランスやドイツ、そしてスイスの環境保護団体、またドイツ政府からも、古くて危険なので1日も早く停止するよう求められてきた。ただ、フランス政府はこれまでにも何度も、この原発の停止予定を発表しているが、何度も延期され、まだ実現していないので、今回も確信が持てるわけではない。
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ドイツの重要なエネルギーの研究機関である「AGエネルギービランツ」はこのほど、今年の9月末までのドイツの二酸化炭素の排出量は、種々のデータをまとめると、前年の同時期に比べて7%減ったと見られる、という喜ばしい結果を発表した。ドイツの経済は成長しており、人口も欧州連合(EU)圏内からの移住や難民の受け入れでまだ増え続けているのだが、エネルギーの消費が前年同期比で約5%減ったことが理由だという。AGエネルギービランツは、信頼される研究機関で、この機関の発表する数値は、通常ドイツ政府も計算の基礎として使っている。 続きを読む»
ドイツの会計検査院はこのほど、「経済界と市民への過大な負担にも関わらず、ドイツのエネルギー転換はその目的をほとんど達成していない」という非常に厳しい特別報告書を連邦議会に提出して、注目を浴びた。地球温暖化ガスの削減、省エネ、エネルギーの効率化、交通分野での再生可能エネルギーの活用などで、ほとんど進歩が見られないというのだ。 続きを読む»
2018年のドイツ人の不安に関する世論調査で、「政治、経済、個人、環境問題の中で、現在何に対して一番不安を感じているか」という質問に対して、調査対象者の69%が「米国のトランプ大統領の政治のために、世界情勢が不安定になること」という文章に同意すると答えた。69%というのは、毎年行われている同様の調査の結果と較べても、非常に高い。ドイツ国内で政治的にも社会的にも大問題となっている「難民問題の荷が重すぎる」や「大勢の外国人がドイツに来ることで、住民間の緊張感が高まっている」の各63%を、6ポイントも上回っている。 続きを読む»
欧州議会内の環境委員会はこの度、2030年に自動車メーカーが欧州連合(EU)で販売する新車の二酸化炭素排出量を、2021年に比べて総合平均で45%減らすべきだという非常に厳しい提案をし、自動車メーカーに大きなショックを与えている。これはEUの執行機関である欧州委員会の提案よりもさらに厳しく、ドイツ自動車工業連盟のベルンハルト・マテス会長は「環境委員会の提案は技術的・経済的現実性を欠き、欧州自動車産業の雇用喪失に繋がる。非常に危険だ」と発言している。 続きを読む»