Author Archives: 永井 潤子

高速増殖炉、夢の跡

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増殖炉の冷却塔

この夏デュッセルドルフの親戚を訪ねた折に、オランダとの国境に近い「ワンダーランド・カルカー」まで足を伸ばしてみた。ここは本来高速増殖炉になるはずだったところだが、1970年代から80年代にかけて反原発派の激しい抗議運動にあい、多額の投資の後、建設計画は中止された。その跡地に遊園地を含む娯楽施設が建設されたのだ。 続きを読む»

難民問題に映し出されるドイツ人の心

紛争地域のシリア、イラク その他の国々から連日何千、何万という人がドイツを目指して押し寄せてくるため、難民受け入れに直接携わる人たちは、ほとんど限界を超えるほどの努力を強いられている。事態がますます深刻の度を加えるなかで、一部の保守的な政治家からは「緊急事態にあたってのメルケル首相の決断は大きな誤りだった」といった非難も起こった。それに対するメルケル首相の答えは「もう1度言います。私たちはやり遂げることができます」だった。メルケル首相だけではなく、難民問題に対するドイツ人のポジティブな発言に感動することも多い。 続きを読む»

ダーチャと日本の強制収容所

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日本とドイツの戦後70年に関するメディアの報道を比べると、日本では日本の戦争責任を具体的に検証するマスメディアの特集記事が少なかったと感じる。そんな中で、戦争中外国人を不当に逮捕、監禁した強制収容所が日本に存在したことに光を当てたこの本は、それだけでも読むに値する。しかし、それ以上にこの本は文学的に貴重で、さらに当時の日本で暮らしていた外国人の様子や日・独・伊の関係が描かれた部分など、歴史的にも大変興味深い。 続きを読む»

ドイツ各地の市民の自発的難民救援活動

連日ヨーロッパに押し寄せる難民の問題がトップニュースになるなか、ドイツ各地では、膨大な数の市民が自発的に難民の救援活動に携わっている。難民収容施設と決められた建物への放火事件や難民排斥デモなどはニュースとして取り上げられやすいが、地道な市民の活動は外国にはなかなか伝わらない。そこで今回は、ドイツで積極的に行われているさまざまな市民の活動に焦点をあててみた。 続きを読む»

戦後70周年のドイツのデモ

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Photo:Taichiro Kajimura

ベルリンでは、元日本軍「従軍慰安婦」メモリアルデーである8月14日、ブランデンブルク門前で「慰安婦問題の解決を求める」静かなスタンディングデモが行われた。このデモは同時に「アベ政治を許さない」デモともなった。翌8月15日の終戦記念日にデュッセルドルフで行われた同趣旨のデモとともに、先に作家の澤地久枝さんの提唱で行われた日本での「アベ政治を許さない」一斉行動に連携したのだ。

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