Author Archives: 永井 潤子

NEW!!

新年のご挨拶

ライトアップされたブランデンブルグ門

ライトアップされたブランデンブルグ門

皆さま、新年おめでとうございます。

新しい年、2015年はドイツにとって日本同様、戦後70年の節目の年に当たります。その一方、戦争の結果東西に分断されたドイツが、再統一することができてから25周年という喜ばしい記念の年でもあります。今年は10月3日の「ドイツ統一の日」を中心に、さまざまな記念行事が行われるでしょう。そんなドイツから私たちは、エネルギー問題のほか政治や社会の現状、あるいは文化的な出来事についても、日本の皆さまの目に届かない新しい情報をお伝えしていくつもりでおります。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

緑の魔女一同

衆議院選挙結果に対するドイツ語圏のメディアの論調

今回の日本の衆議院選挙結果についてドイツ語圏のメディアは、12月15日、それぞれかなり大きく報道した。「奇異な選挙の勝利者」、「選択肢のない選挙」、「日本のパラドックス」といった見出しが並ぶが、選挙結果だけではなく、日本の政治や社会の現状を批判的に取り上げるものが目立った。

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日本の国会解散、総選挙に対するドイツ語圏のメディアの反応

朝日新聞は11月22日の紙面で、「解散、各国が関心」という記事を載せ、「TPP(環太平洋経済連携協定)の早期締結が安倍首相の助けになるだろう」などというアメリカの「ワシントン・ポスト」の記事や中国や韓国の反応などを載せた。ヨーロッパでは同社のヨーロッパ総局のあるイギリスの解散の意図を分析する論調と、マイナス成長のイタリアの「アベノミクスに注視」という当たり障りのない反応が取り上げられているだけで、なぜかEU最大の国ドイツの反応はなかった。そこできょうはドイツとドイツ語圏のメディアの反応をお伝えすることにする。 続きを読む»

ドイツ語圏のメディアは朝日新聞誤報問題をどう伝えたか

日本軍の「慰安婦」問題や福島原発事故の「吉田調書」をめぐる朝日新聞の誤報問題に関連して、日本では安倍首相をはじめとする政治家や他のメディアの朝日新聞へのバッシングが凄まじい。安倍首相は、ニッポン放送のラジオ番組に出演し、「慰安婦問題の誤報によって多くの人が苦しみ、国際社会で日本の名誉が傷つけられたことは事実と言っていいと思う」などと、あたかも朝日新聞の誤報によって「慰安婦」問題がつくられたかのような発言をして朝日新聞を批判した。以来日本社会での朝日新聞たたきはエスカレートしている。ドイツの新聞は、こうした日本の最近の異様な事態についてどのように伝えたか。 続きを読む»

ウクライナ東部の戦闘で原発が危ない

ドイツのメディア各社は先日、「ウクライナ東部での戦闘拡大で、ウクライナの原発が危険にさらされている」と報道した。ウクライナ軍と親ロシア派武装勢力は、9月5日、中部ヨーロッパ時間の17時から双方が軍事行動を停止するという合意文書に署名したが、戦闘が拡大方向に向かっていた時には第2のチェルノブイリ事故が真剣に憂慮された。その報道についてお伝えする。 続きを読む»

多くの人の心に響いたベルリンでの「日本軍『慰安婦』メモリアルデー」

8月14日が「日本軍『慰安婦』メモリアルデー」と決められていることをみなさんはご存知だろうか。韓国人女性、キム・ハクスン(金学順)さんが長年の沈黙を破って初めて「元慰安婦である」と名乗りをあげ、さまざまな証言を行ったのは、今から23年前の1991年8月14日のことだった。それ以来各地の元「慰安婦」の女性たちが名乗り出るようになり、「慰安婦」問題が国際的に注目されるようになった。2012年、キム・ハクスンさんの勇気を讃えて8月14日が「日本軍『慰安婦』メモリアルデー」と国際的に決められ、以来各地で犠牲者を追悼する式典や「慰安婦」問題を考える集会が開かれるようになった。ベルリンでは今年も、このメモリアルデーを中心にさまざまな催しが行なわれたが、特に元「慰安婦」のイ・オクソン(李玉善)さんの証言が人々に衝撃を与えた。 続きを読む»