ドイツ南部バイエルン州にあるイザール原子 力発電所©️PreussenElektra
2011年の福島での原発事故を機に2022年末までの脱原発を決めたドイツで、脱原発の遅れる見込みが強くなってきた。ロシアのウクライナ侵攻が始まる前まで、ドイツはロシアからの化石燃料、特に天然ガスの輸入に大きく依存していた。しかし、現在ではロシアからのガス供給が契約の20%にまで縮小してしまい、他国からの輸入を考慮しても、この冬の十分なエネルギー供給が心配される。そのため各方面から、まだ稼働しているドイツ最後の原子炉3基の操業停止を延期するべきだという声が高まると同時に、政権与党の社会民主党や緑の党などの抵抗も弱まってきているのだ。
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ドイツ国内で今年上半期に消費された電力の約半分、49%は再生可能エネルギーによる緑の電力だったことがわかった。2月24日にロシアがウクライナに侵攻して以来、ガス代や電気代の大幅値上げや、ロシアからのガス供給が停止されるかもしれないなど、エネルギーに関しても憂鬱なニュースが続いている中で、久々に明るい話題となった。
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©️Milosz1/flickr
長い間、ロシアからドイツにパイプラインを通して送られて来ていた大量の天然ガスの供給が、7月11日以降途絶えるかもしれない。送られて来るガスの量は、既に6月16日以後、一方的に契約上の量の40%に減少されてしまっている。そして、7月11日に始まる主要パイプライン、ノルトストリーム1の点検のための供給一時中断後に、果たして供給が再開されるかどうか懸念されているのだ。ロシアから天然ガスが来なくなると、ドイツは非常に大きな打撃を受けることになる。
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2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻は、ドイツの政治や経済に大きな課題をもたらしただけでなく、物価上昇などを通じて市民の日常生活にも影響を与えている。それだけでなくロシアによるこの戦争は、核兵器に対するドイツ人の意識も変えたことが、ある世論調査でわかった。
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ウクライナに連帯を示す若者のデモ(ベルリン、2月27日)。
ドイツの若者はここ数年来、気候変動問題、コロナ・パンデミック、そしてこの春からは欧州地域での戦争に直面し、心理的に緊張した状態に置かれている。特に、飛行機に乗れば僅か2時間で行けてしまうウクライナへのロシアの侵攻は、若者にショックを与えているようだ。2022年夏版の『ドイツの若者・トレンド調査』からお伝えする。
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いまだに続くロシアのウクライナへの攻撃は、ドイツに大きな試練をもたらしている。安全保障政策や国防政策、そしてエネルギー政策の突然の見直しを迫られたからだ。その結果、紛争当事者に武器を提供すべきかなど、本来ならば議論を重ねて検討すべき国のあり方の根幹に関わる問題について、次々と新しい方針が打ち出されている。ドイツ市民は、ドイツ政府のこの急激な方針転換を、どう受け止めているのだろうか?
ロシアのウクライナ侵攻直後の2月27日にベルリンで行われたウクライナに連帯を表明するデモ。10万人以上が集まった。
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