ドイツ語は結構厄介な言葉だ。人物を表す名詞に、例えば日本語の友達や英語の friend のように、一語で男女両性の友達を指す、つまり男女を区別しない便利な名詞がほとんどないのだ。英語の friend に綴りも近いドイツ語の Freund は友達を意味する言葉だが、これは狭義には男性の友達しか指さない。それにも関わらず、ドイツの公的文章や一般の文章では通常、男性を指す名詞が広義に解釈された形で用いられ、それには女性も含まれる。そのために以前から、「女性は無視されている」と不満を持つ女性や「アンフェアだ」と考える男性が増えてきており、ちょっとした論争を引き起こしている。
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欧州連合は、 乗用車と小型商用車の新車の二酸化炭素排出量を2035年までに ゼロに減らし、いわゆるゼロ•エミッションの車しか販売できなくすることを決めた。これにより2035年以降、 乗用車と小型商用車に関しては、ハイブリッド車も含めて、ガソリンやディーゼルを使って走る新車の販売が実質的に禁止されることになる。
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指導力が問われていたが、重要な決定を下したショルツ首相©️Bundesregierung
連立政権内の意見不一致で中々決着のつかなかったドイツの脱原発が2023年4月15日になるようだ。オーラフ・ショルツ連邦首相が17日午後、基本法で定められた首相が単独で政策の方針を決断する権限に基づいてそう決定し、書面にてその内容を関連閣僚に伝えたからだ。
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今年の夏、西部ヨーロッパを熱波が襲い、マドリッドやパリなどは気温が40度を超える日が続いた。スペインやフランスより北に位置するドイツはそこまで過酷な暑さに見舞われなかったが、温暖化が進むとともに、暑さへの対処が必要になりそうだ。そんな中、今まで聞いたことのなかった地域冷房というものが、バイエルン州の州都ミュンヘンの一部の地域で利用されていることを知った。
観光客で賑わうミュンヘンのマリエン広場。地下に地域冷房のための管が走っていることを知っている人はほとんどいないだろう。
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ドイツの最終的な原発停止の時点を左右するだろうとされていた、この冬の安全な電力供給に関するストレステストの結果が9月5日に発表された。審査に当たったドイツの送電網4社は、まだ稼働中のドイツ最後の原子炉3基が予定通り今年12月末日に停止した場合には、ロシアからの天然ガスの輸入がほとんど停止してしまっている現在、冬期の安定した電力供給は大変緊迫した状態に陥るだろうとし、3基の稼働継続はそれを避けるために貢献すると発表した。それを受けてハーベック連邦経済・気候保護相(緑の党)は、3基の内の1基は予定通り年末に停止し、残り2基は2023年4月中旬まで緊急時の予備として残すと発表した。
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ドイツでは今年の6月1日から8月31日までの3ヶ月間、全国の地下鉄、バス、路面電車、近郊電車 (S-Bahn) 、中距離列車 (Regionalbahn) が1ヶ月間乗り放題でたった9ユーロ (約1230円) という、超格安チケットが 導入されている。「交通史上最大の実験」や「夏のメルヒェン」と呼ばれているこのチケットが、なぜ誕生し、どのように利用され、どんな問題を明らかにしたのかを紹介したい。
たった9ユーロと、安さを強くアピールするドイツ鉄道による9ユーロチケットの宣伝
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