発言し始めた若者たち
「私たちはここにいる!私たちは大声をあげる!それはあなたたちが、私たちの将来を奪ったからだ!」。昨年末からドイツでも毎週金曜日に行われている温暖化対策を求める生徒たちのデモ、「Fridays for Future (未来のための金曜日)」(略:FFF) では、生徒たちがこのフレーズを歌うように節をつけて大声で連呼する。この行動が象徴するように、今、「若者たちは発言したがっている」ことが、ドイツの若者たちの意識調査で明らかになった。
「私たちはここにいる!私たちは大声をあげる!それはあなたたちが、私たちの将来を奪ったからだ!」。昨年末からドイツでも毎週金曜日に行われている温暖化対策を求める生徒たちのデモ、「Fridays for Future (未来のための金曜日)」(略:FFF) では、生徒たちがこのフレーズを歌うように節をつけて大声で連呼する。この行動が象徴するように、今、「若者たちは発言したがっている」ことが、ドイツの若者たちの意識調査で明らかになった。
ドイツでは昨年末ごろから、毎週金曜日に生徒たちを中心に、一刻も早く有効な温暖化対策をとるよう求めるデモ、「Fridays for Future (未来のための金曜日)」(略:FFF) が行われている。生徒たちの主張は大人たちの共感も呼び、緑の党の支持率は今年になってからうなぎのぼり、その後も高値安定といったところだ。 先月9月20日には、世界的規模でFFFのデモが行われ、ベルリンだけでも27万もの人々が参加した。これだけ市民たちの温暖化に対する危機感が高まっている中、政府がどのような対策を取るのか注目が集まっていたが、奇しくもこの世界的規模のデモが行われた日に、アンゲラ•メルケル首相率いる連立政権を構成するキリスト教民主同盟 (CDU)、キリスト教社会同盟 (CSU)、社会民主党 (SPD) の幹部は、前日から行われていた「気候閣議」がまとめた温暖化対策の政策パッケージを発表した。
古い食器やアクセサリー、凝った装飾のほどこされた本棚やテーブルなど、見物しながら歩くだけでも楽しい、ベルリン•シャルロッテンブルクの骨董街。そこに白地にオレンジ色でGEDOKと書かれた看板を掲げた、小さなギャラリーがある。8月2日から25日までこのギャラリーで、『TOYS ARE US』(私たちはおもちゃ) というタイトルの美術展が開かれた。文字通りおもちゃをテーマにした展示だが、そこに「あいちトリエンナーレ2019」の企画展『表現の不自由展・その後』が開幕早々中止されてしまったきっかけとなった、あの「平和の像」が 展示された。
二年ぶりにギリシャのエーゲ海で休暇を過ごした。今回もヨットに寝泊まりし、島から島へと航海したので、多くの時間を海で過ごした。燦々と輝く太陽、紺碧の空と海、地震や火山爆発がもたらした起伏の多い荒々しい地形の島 、そこに点在する白い街並み。エーゲ海の風景は、まるで絵葉書のようだった。それでも、二年前の休暇では、時々幻滅させられたことを思い出した。
ベルリンの学校では、昨年8月20日から始まった一年が終了し、6月20日に夏休みに入った。その前に通信簿を受け取らねばならず、ちょっと憂鬱な気分の生徒もいただろう。いつもは成績をつけられる側の生徒だが、毎週金曜日にドイツ各地で生徒たちが行っているデモ、「Fridays for Future」(FFF) のベルリンの現場で、「ドイツの温暖化対策 6、倫理 6、責任感 6」と書かれた通信簿風のプラカードを見かけたことがあった。6というのは、ドイツでは落第点だ。しかしこのプラカードを作成した生徒だけでなく、実は一般のドイツ市民も、ドイツ政府の環境・気候保護対策について厳しい評価を下していることが、5月28日に発表された「2018年環境意識調査」で明らかになった。
5月23日から26日にかけて、欧州連合 (EU) の立法府である欧州議会の選挙が行われた。前回の選挙は5年前の2014年で、その後、大量の難民が欧州にやって来たり、イギリスがEU離脱を決めたりと、EUはいろいろな試練に立ち向かわねばならなかった。それに伴ってEUに懐疑的な人たちが増え、今回の選挙はEUの今後を大きく左右する「運命の選挙」とまで言われた。全体の選挙結果については日本のメディアも詳しく報道したので、ここではドイツでの結果を中心に報告したい。