ワイン専門店の入り口の貼り紙。店内では、店員や他の客に2メートル以上近づかないよう呼びかけている。
日本より春の訪れが遅いベルリンは、今、桜や木蓮の花が満開だ。これから一年で最も美しい季節が始まると、いつもなら心が踊るこの時期だが、今年は多くの人が不安を抱えながら生きている。というのもドイツでもコロナウイルスが猛威を振るっており、 2020年4月11日現在、感染者が11万7658人、死者が2544人も出ているからだ 。コロナによる感染拡大を少しでも抑制しようと、ドイツでは3月中旬から様々な措置が取られてきた。そのせいで今までは当たり前のようにやっていた色々なことができなくなり、窮屈な日々が続いている。その一方、イタリアのような厳しい外出制限は出ていないため、いつもとさほど変わらない部分もある。コロナ厄難下のベルリンでの生活の一面を伝えたい。
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イルマ•ゴルトシュタインさんの「躓きの石」の左横には、息子と夫の石も並んでいる
ベルリン西部、シャルロッテンブルク地区の住宅街にあるシュタイフェンザント通り。2月25日の朝9時、ふだんは人通りの少ないこの通りの6番地の集合住宅の前に、20人近い人が集まり、芸術家グンター•デムニッヒ氏が5つの「躓きの石」を埋める様子を見守った。ホロコーストから75年、5人の犠牲者が長い旅を終えて、家に帰ってきたのだ。
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現在の工程表では2038年にこのノイラート褐炭火力発電所 など7つの発電所が止まり、脱石炭が実現する©️RWE
1月29日ドイツ連邦政府は、2038年末までに褐炭と石炭による火力発電から撤退することを決めた法律を閣議で承認した。ドイツでは2022年末までに脱原発を行うことが決まっているが、それに続いて「脱石炭」も決めたことになる。
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新年早々、嬉しいニュースが飛び込んできた。2019年を通してみた時、風力や太陽光などの再生可能エネルギーによる発電量が、褐炭、石炭、天然ガスなどの化石燃料による発電量を初めて超えたというのだ。年末には原発も一基停止し、ドイツで稼働中の原発はあと6基となった。これらの事実は、ドイツでエネルギー転換が着実に進んでいることを示している。
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世界中で問題になっている地球の温暖化の原因である二酸化炭素の排出量を、ドイツは具体的にどうやって削減していくのか?ドイツ政府はこの問題を話し合うために、アンゲラ•メルケル首相を座長とし、環境、財務、交通、建設、 農業、経済の担当相などで構成する気候閣議を今年の4月から 3度開いてきた。9月19日に開かれた4度目の閣議は徹夜で行われ、そこでまとまった結果が9月20日、温暖化対策のためのパッケージとして発表された。気候閣議の参加者たちはこのパッケージの内容を自画自賛したが、この政策では二酸化炭素の排出量を十分に減らすことはできないと、専門家や環境NGO、野党からすぐさま批判の声があがった。中でも緑の党の女性共同代表アナレーナ•ベアボック氏は、「この政策パッケージには満足できません。連邦参議院でブロックするか、改善を試みます」と言い放った。
温暖化対策が厳しくなれば、ガソリンや灯油が値上がりするので、消費者の負担も大きくなる。
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©️Flickr/ Nobert Kaiser
もうすぐ終わりを迎える2019年のドイツの気候を振り返ってみると、前年の2018年に続いて、今年も暑かったという印象が強く残る。地域によっては最高気温が40度を超えたところもあった。だがこれはドイツだけの現象ではない。世界的にみて、2010年から2019年は観測史上もっとも暑い10年になるという。また、このほど発表された2018年の気候リスクの高い国ランキングで、ドイツは3位になった。スペインの首都マドリードで12月2日から15日まで開かれた「国連気候変動枠組条約第25回締約国会議 (COP25) 」に合わせて、このように、気の滅入る報告が次々と発表された。しかしそんな中で、少しだけ明るいニュースもあった。世界全体を総合すると、二酸化炭素を多く排出する石炭火力発電が減っているというのだ。
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