
ドイツの大統領と三権の長、そして来賓の2人が席について式典が始まった。
しんと静まりかえったドイツ連邦議会の本会議場にテノールの歌声が響き渡った。ピアノとクラリネットが伴奏する哀愁を帯びた旋律のその曲は、ゲットーのどこかにいるはずの恋人を、探して連れてきて欲しいと、もうすぐ訪れる春に懇願するユダヤ人の男の思いを歌ったものだ。1月27日に行われた、連邦議会主催の「ナチ犠牲者のための追悼式典」でのことだった。
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ドイツでは新年を迎えた瞬間にお祝いの乾杯をする習慣があり、 元旦は寝坊する人が多い。しかし寝ぼけ眼の人も、今年は元旦のニュースを聞いて、しっかり目が覚めたのではないだろうか。 欧州委員会が大晦日の夜遅く、原子力を地球の温暖化対策に役立つ、持続可能な緑のエネルギーとみなすという方針を発表したからだ。

©️European Union 2015
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ワクチン接種を行なった人かコロナ感染から回復した人しか店内に入れないことを示す2Gの目印 。
「この冬が終わる頃には、ワクチン接種をした人か、コロナにかかったが回復した人か、コロナのせいで死亡した人しかいなくなるだろう」。コロナで亡くなった人を侮辱しかねないドイツ連邦保健相イェンス•シュパーン氏 (新政権樹立までの暫定保健相/キリスト教民主同盟=CDU)のこの発言は、物議を醸した。しかしこの発言のあった11月23日以降、ドイツではコロナの新規感染者が1日に7万人を超える日が続き、シュパーン氏の言葉が現実味を持ってきた。ドイツは今、大きなコロナ•ウイルスの波に飲み込まれている。
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ドイツでは現在稼働している6基の原発のうちの3基が今年末までに、残りの3基が来年の年末までに停止することが決定している。そのため、「原発は過去のもの」という意識が市民の間で定着している。そんな中でお隣りの国、フランスのマクロン大統領は、小型モジュール原子炉の開発に投資を行うと発表し、ドイツとフランスの原発政策の違いをまざまざと見せつけた。
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9月26日に行われたドイツ連邦議会選挙は、若手議員や移民系議員が増えるなど、喜ばしい結果をもたらした。その反面、衝撃的な事も起きた。東部ドイツ二つの州で、極右ポピュリズム政党「ドイツのための選択肢(AfD) 」が最大勢力になったのだ。

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ドイツでは9月26日に、連邦議会選挙が行われる。この選挙でどの党が幾つの議席を獲得するかによって、どんな政権が成立し、誰が首相になるかが決まる。そんな大切な選挙だが、目下、大混戦となっている。2005年から4期16年間も首相を務めてきたアンゲル•メルケル氏がこの選挙には出馬せず、政界から引退するこが決まっているため、ドイツ国民はメルケル氏に代わって誰に国政を託すか迷っているようだ。
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