Author Archives: 永井 潤子

究極の自然エネルギー、地熱発電のすすめ

福島第1原発の事故による放射能被害がますます深刻になっている。それでも、再生可能な自然エネルギーへの転換を強力に押し進めるという国の方針や、社会をあげてのエネルギーに関する白熱した議論が日本から伝わって来ないのはどうしてだろうか。最近も朝日新聞の一面トップに「原発運転最長60年」という見出しを見つけて、びっくり仰天した。結局は原発の運転期間を「原則40年」に制限し、20年延長は例外とする原子力安全改革法案が今国会に提出されることになったようだが、人類の歴史始まって以来最悪の原子力事故を起こしてしまった日本で、事故から1年近く経った今も何故自然エネルギーに関する議論が盛り上がらないのかと不思議な気がする。今後の日本にとって生死にかかわる問題だと思うのだが。それにつけても思い出すのは、福島原発事故から1カ月も経たない時にドイツの新聞に載った、地熱発電の推進を日本に勧めるいくつかの記事だった。

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新年のご挨拶

あけましておめでとうございます。

新しい年2012年も私たちはベルリ ンから再生可能なエネルギー問題を中心にドイツの情報をお伝えして行くつもりです。脱原発を決定したドイツの道のりは決して平たんではありま せん。ドイツが抱えている困難についても触れながら、希望の光が見出せるサイトにしていきたいと考えています。どうぞ引き続きこのサイトをご 覧ください。また多くの方々にご紹介くださいますようお願いいたします。

 

 

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ドイツのクリスマスと日本のお正月

今年もクリスマスは我が家に親しい人を招き、メクレンブルク 風の鴨の丸焼きをして、静かに、しかし楽しく過ごした。クリスマスのご馳走に鴨の丸焼きをするようになって、もう30年ほどになる。きっかけは、一人暮らしで寂しい日本人の友達をクリスマスに我が家に呼ぶようになったことで、最初の集まりでこのご馳走が好評だったため、その後も毎年繰り返している。このメクレンブルク風鴨の丸焼きは、ケルン時代に親しくなった旧東ドイツ・シュヴェリーン(Schwerin, 統一後はメクレンブルク・フォアポンメルン州の州都)出身の女友達に教わったもので、前の晩から干しプラムと干しぶどう、細かく切ったリンゴをコニャックに漬けておき、それを当日、塩こしょうした鴨の胴体に詰めてオーブンで焼くだけ。しかし、鴨のうまみに干しプラムや干しぶどうなどの自然の甘みが加わって、何ともいえずおいしく、今ではこれを食べないとクリスマスが来たような気がしなくなってしまった。

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ドイツ映画「第4の革命 – エネルギー・デモクラシー」の日本での上映

日本から嬉しいニュースが届いた。私たちがこのサイト「みどりの1kWh」を立ち上げるきっかけとなったドイツのドキュメンタリー映画が、12月17日東京渋谷のヒューマントラストシネマ渋谷で全国に先駆けて一般公開されることになったというニュースだ。私たちの仲間の一人はこのドキュメンタリー映画「第4の革命」(原題はDie 4. Revolution – Energy Autonomy 第4の革命、エネルギーの自立)の日本紹介を目指して努力したが、力及ばなかったという経緯があるため、私たちは日本公開が実現することを自分のことのように喜んだ。この映画について私たちはすでに1度紹介しているが、公開を前にもう1度詳しく紹介することにする。

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脱原発、ドイツの歩み3)

「30年戦争の終わり」、歴史的な連邦議会の決定

 

「脱原発は、原子力利用をめぐる30年にわたる激しい議論の末の成果であり、これからの世代にまたがる大規模で重要な国家的プロジェクトである」と熱を込めて語るのは、レトゲン連邦環境相、2011年6月30日、ドイツ連邦議会でのことだ。この日の連邦議会ではメルケル政権が6月6日の閣議で決めた脱原発の政策と関連法案の審議が行なわれたのだが、環境相は政府を代表して脱原発の具体的な行程表について説明するうちに徐々にエスカレート。「ドイツほど自然エネルギー促進に野心的だった工業国はない」と鼻高々で述べ、「脱原発を実現することのできる国があるとすれば、それはドイツ」とさらに調子が高くなっていった。

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ベルリン市議会に進出した若者の政党、「海賊党」

オレンジ色のTシャツに同色のつなぎのズボンをはいた2メートルを超える大男が、ベルリン市議会の建物に入ろうとして警備員にストップされた。10月27日朝のことで、この日は9月18日の選挙後初のベルリン市議会が開かれることになっていた。ごみ収集の清掃員のような格好をしたこの大男、実は今回の選挙で初めて市議会進出を果たした「海賊党」の議員、39歳のゲアヴァルト・クラウス=ブルンナー氏だった。オレンジ色は「海賊党」のシンボル色。

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