ドイツでは昨年9月の連邦議会選挙から4ヶ月あまり経つ今も、新政権の樹立が難航している。そんななか、1月21日の日曜日にボンで開かれた社会民主党(SPD)の臨時党大会は、今後の連立政権樹立に決定的な影響を与える党大会として注目された。マルティン・シュルツ党首を中心とするSPD執行部は新年早々から、メルケル首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)とその姉妹政党であるキリスト教社会同盟(CSU)との間で、いわゆる大連立に向けての予備交渉を行なってきたが、12日、28ページにのぼる暫定合意書をまとめた。SPDは、この暫定合意に基づき本格的な交渉に入るかどうかを、約600人の代議員が参加するこの臨時党大会で決定する事にしていたため、その結果が注目されたのだ。代議員の間では、CDU・CSUとの大連立に反対の声が強く、予断を許さない状況だった。 続きを読む»
地球温暖化の最大の原因とされる二酸化炭素は、石炭を燃焼して電力や熱を生産する際に最も多く排出される。二酸化炭素の排出量を世界的に削減しようとする努力は、毎年開催される国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP)などにも見られるが、その一方で、世界の石炭の需要はなかなか減らない。パリにある国際エネルギー機関(IEA)が発表した報告書によると、石炭の需要は2022年まで、量的に変わらないという。 続きを読む»
「気候変動の危険を最小限に抑えるために、人類は1日も早く二酸化炭素の排出量を減らさなければならない。二酸化炭素をこれからも制限なしに排出するなら、我々は後日、二酸化炭素の排出量を急激に減らさなければならなくなる」と警鐘を鳴らすのは2017年のブループラネット賞の受賞者、ポツダム気候影響研究所(PIK、 Potsdam-Institut für Kilimafolgenforschung)のシェルンフーバー所長だ。毎年ベルリン自由大学で行われる恒例の「ダーレムのアインシュタイン・レクチャー」で話した。 続きを読む»
NEW!!
日本の著名なビオラ独奏者であり愛弟子も大勢いる今井信子によると、ベルリンは今「世界中の音楽家が最も好んで演奏したい町、音楽学生が最も好んで学びたい町」だそうだ。そのベルリンでこの12月、7年間の修復期間を終えた「州立(国立)オペラ」が再開した。一年の終わりに、ベルリンの文化的話題をお届けする。
ベルリンの「州立オペラ」。©Marcus Ebene
続きを読む»
9月24日に行われたドイツ連邦議会の選挙結果を受けて、メルケル首相が党首を務めるキリスト教民主同盟(CDU)とバイエルン州を基盤とする姉妹政党のキリスト教社会同盟(CSU)、それに自由民主党(FDP)と緑の党の4党の連立予備交渉が10月18日に始まった。しかし、4週間にわたる困難な協議のあと、11月19日、FDPが「納得できない政権には加われない」として連立交渉からの離脱を表明したため、交渉は決裂し、事態は振り出しに戻った。その後、CDU・CSUと社会民主党(SPD)との連立政権樹立の道が模索されているが、その道はかなり険しく、今のところ、合意に至るかどうかも不明である。これまでの経過を振り返り、今後の見通しを伝える。 続きを読む»
この11月、ベルリンの中心部にあるフンボルト大学で、ある映画月間が開催された。「Women’s Bodies as Battlefield」と題し、いわゆる「慰安婦」をテーマに取り上げたドキュメンタリー作品6本が、毎週水曜夜、全5回にわたって上映された。それぞれ韓国、中国、フィリピン、インドネシア、台湾の元「慰安婦」を取材している。第二次世界大戦中、アジア各国で日本軍の「従軍慰安婦」制度の犠牲となった女性がいかに多かったか、彼女たちのその後の生活がいかに困難なものだったかを知る機会となった。
映画月間のパンフレット。写真は、上映作品「わたしたちは美しかったから」より。
続きを読む»