ドイツは原発なしでやっていけるだろうか
ドイツは2011年に、フクシマの事故を契機に2022年末までの段階的な脱原発を決定した。そして2020年には、2038年までの 脱石炭火力発電を、今年6月には、2045年までの脱炭素化社会(カーボン・ニュートラル)達成も決めた。ところがこの10月12日に、フランスのマクロン大統領は原発のルネッサンスを提案した。ドイツではそれをきっかけに、エネルギー政策についての議論が高まっている。
ドイツは2011年に、フクシマの事故を契機に2022年末までの段階的な脱原発を決定した。そして2020年には、2038年までの 脱石炭火力発電を、今年6月には、2045年までの脱炭素化社会(カーボン・ニュートラル)達成も決めた。ところがこの10月12日に、フランスのマクロン大統領は原発のルネッサンスを提案した。ドイツではそれをきっかけに、エネルギー政策についての議論が高まっている。
ドイツの連邦議会選挙があと1週間後に迫って きた。今回は47もの政党がこの選挙に臨むのだが、実際に接戦を繰り広げているのは、現在すでに議席を持つ6政党だ。どの党も30%を超すような高い得票率は達成できないと予想されるため、選挙後に2党ではなく3党による連立政権が成立する可能性が高く、いく種類もの組み合わせが考えられる。そんな中、各党は今回の選挙で最も重要なテーマである気候問題に関して、どのような対策を公約しているのだろうか。ベルリンにあるドイツ経済学研究所(DIW)が調べた。
今年ほど世界各地で気温が50度前後まで上昇したり、大規模な山火事が 起きたりしたことは過去になかったのではないだろうか。世界各地で大豪雨があったり、大規模な洪水が発生したりしたのも今年だ。ドイツも例外ではなく、ノルトライン・ヴェストファーレン州やラインラント・プファルツ州は7月に大変な豪雨と洪水に見舞われ、町や自然が荒らされ、200人近い人達が命を落とした。ドイツの気候学者たちを含む国際的な研究者グループは、このほど、この大災害が気候変動に帰することにはほとんど疑いがないと分析した。また、このような災害が繰り返される可能性も大きくなったと指摘した。しかし、このような出来事に対してできることが全く無い訳ではないと、ドイツ公共第一テレビ(ARD)の報道番組「コントラスト」が8月26日に伝えた。石炭火力発電を止めれば良いのだという。
ドイツの自動車大手ダイムラー(本社シュトゥットガルト)のメルセデス・ベンツ・トラックス部門はこのほど、秋から初の大型電気トラッ クのシリーズ生産に入ると発表した。物資の運搬に欠かせない大型トラックは通常ディーゼルエンジンで走行しているが、エンジンの容量が大きいために排ガス量も多く、環境によくないとされる。しかし、トラックの電動化のためには、乗用車とは比較にならない特別大きくて重いバッテリーが必要となるため、今までは量産が難しいとされていた。 続きを読む»
昨年12月27日から正式に始まったドイツのコロナ・ウイルスに対する予防接種が順調に進んでいる。5月28日までにワクチンの投与を少なくとも1回受けた人は3545万3649人で、人口の約42.6%に達する。既に接種を完了している人は1419万7101人で、人口の17.1%に相当する(注)。6月7日からは、今まで厳しく守られてきた接種者の優先順序制度が取り除かれ、同時に12歳以上の子供たちの予防接種も始まる。
ドイツの最高裁判所である連邦憲法裁判所は4月29日、ドイツの現行の「気候保護法」で定められている温室効果ガスの削減目標値は、「次世代に過度に負担をかけることになるので、より長期的な目標値を設定するべきである」という判断を示した。 違憲抗告したのは、有効な気候温暖化対策を求める若者たちのグループ「Fridays for Future (FFF、未来のための金曜日)」の9人などで、現行の法律では、次世代の「自由の権利」が侵されると訴えていた。連邦憲法裁判所が気候保護に関する判断を下したのは、今回が初めてのことだ。秋に連邦議会選挙を控えたドイツで、気候問題が最も重要なテーマの一つになってきた。