原爆忌の日に映画「わたしの終わらない旅」を見る
8月6日の広島への原爆投下の日にはベルリンでも、平和の鐘をつく記念行事や平和コンサートが行われたが、私は一人家で坂田雅子監督の映画「わたしの終わらない旅」を見て過ごした。坂田監督のこの映画は、母親の残した1冊の本をきっかけに、監督が原爆と原発について考える旅に出、その記録をまとめたものである。 続きを読む»
8月6日の広島への原爆投下の日にはベルリンでも、平和の鐘をつく記念行事や平和コンサートが行われたが、私は一人家で坂田雅子監督の映画「わたしの終わらない旅」を見て過ごした。坂田監督のこの映画は、母親の残した1冊の本をきっかけに、監督が原爆と原発について考える旅に出、その記録をまとめたものである。 続きを読む»
先ごろ3週間ほど日本に一時帰国した際、中学から高校にかけて3年間を過ごした懐かしい土地である鹿児島に出かけた。今も活発な活動を続けている活火山、桜島を抱く鹿児島県は、いたるところで温泉が湧き出ている。そこで目にしたのは、自然のエネルギーをうまく利用して暮らしている人々の姿だった。指宿市の山川地区にある地熱発電所も、そうした人々の生き方を象徴しているように思えた。 続きを読む»
最近、「六ヶ所村ラプソディー」という映画を見た。鎌仲ひとみ監督のこの映画は、核燃料の再処理工場がある青森県上北郡六ヶ所村を取材したものだ。2006年に公開されたものなので、取材時期は福島の原発事故以前ということになる。少し古い映画ではあるが、福島の原発事故から数年経った今、エネルギー転換が進むドイツ在住者として抱いた感想を記したい。
日本に一時帰国し熱海を訪れた際、地元の糸川の水を利用して、2年ほど前から発電実証実験を行っている井出由紀雄先生*に出会いました。その井出先生から小型で低価格の水力発電装置について説明を受けることが出来ました。自然のまま残された小川を利用するローテク発電が気に入ったので、ベルリンに戻り、ドイツでの現状を調べてみました。 続きを読む»
去年10月、日本に一時帰国していた私は渓谷の紅葉を楽しむツアーに参加し、たまたま長野県大町市にある東京電力管轄下の高瀬ダムに行った。高瀬ダムは巨大な天然の石を積み上げた高さ176メートルのロックフィルダムで、富山県の黒部ダムにつぐ日本で2番目に大きいダムである。私はそこで大規模揚水発電が行われてきたことを知り、日本の水力発電に関心を持った。最近『水力発電が、日本を救う』というダム専門家の本を読んで、「目から鱗が落ちる」感じを味わった。
2月9日から19日まで開かれた第67回ベルリン国際映画祭は、ハンガリーの女性監督イルディゴ・エンエディ監督の映画「On Body and Soul」を金熊賞に選んで閉幕した。食肉処理場で働く男女の夢を中心にしたラブロマンスというユニークな設定と森の中の鹿のオスとメスの美しい映像が繰り返し現れるこの映画の金熊賞受賞は、政治的、社会的なテーマが中心と思われているベルリン映画祭としては異例の決定だと受け取った人が多かったようだ。しかし、映画祭の2日目に上映されたこの映画は、小品ながら素晴らしい映画として、私の印象に残っていた。今回は、トランプ政権誕生直後に開かれたベルリン映画祭の間、20本ほどの映画を見た私自身の個人的で独断的な感想をお伝えすることにする。