Author Archives: 永井 潤子

批判を乗り越えられるか?緑の党の女性連邦首相候補

6月11日から13日までベルリンで開かれた緑の党の党大会は、アナレーナ・ベアボック共同代表を圧倒的な支持で連邦首相候補に正式に選出し、党首脳部の提案した9月の連邦議会選挙のための選挙綱領をほぼ全面的に承認した。しかし、その日のベアボック氏は、著しく精彩を欠いていた。4月19日に、連邦首相候補に名乗りをあげて新風を巻き起こした彼女だったが、その後の厳しい逆風にさらされた痕跡が歴然と見てとれた。

緑の党の連邦首相候補、ベアボック氏。連邦議会選挙まで、後3ヶ月、これからが勝負だ。©️gruene.de

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注目を集めたザクセン・アンハルト州の州議会選挙

ザクセン・アンハルト州は、ドイツ統一後東部にできた新5州の一つで、人口約220万人、ドイツの16州のうち、人口では11番目に位置する小さな州である。州都は中世の由緒ある歴史的遺産を持つマクデブルク。このザクセン・アンハルト州で6月6日の日曜日に行われた州議会選挙が、かつてないほど全国的に注目を集めた。 続きを読む»

東京オリンピック・パラリンピックは開催するべきか? ― ドイツ・メデイアの論評

ドイツのバイオンテック社とアメリカのファイザー社は、5月6日、両社が共同開発したワクチンを7月23日から開催予定の東京オリンピック・パラリンピックの選手団と代表団に無償で提供することで国際オリンピック委員会(IOC)との間で合意に達したと発表した。これをきっかけに東京オリンピック開催をめぐるドイツ・メディアの論評をお伝えする。 続きを読む»

新風を巻き起こした緑の党初の女性連邦首相候補

今年秋の連邦議会選挙に向けて、ドイツの緑の党が男女の共同党首のうち、どちらを連邦首相候補に選ぶか、注目を集めてきたが、4月19日、同党は女性のアナレーナ・ベアボック共同党首を連邦首相候補に決定したと発表した。緑の党が連邦首相候補を出すのは、同党の40年の歴史で初めてのことで、女性である点と40歳という若さが新鮮な印象を与えた。緑の党は、この時点での世論調査では保守の政権与党に続いて第2党の地位を占めていたが、最近ますます支持率を高めており、メルケル首相の後継者に女性が再び選ばれる可能性も現実味を帯びてきた。翌4月20日のドイツの新聞のほとんどは一面トップにアナレーナ・ベアボック氏の写真を載せ、大きな記事を掲載した。その新聞論調を中心にお伝えする。 続きを読む»

メルケル首相の謝罪

緊急記者会見を開き、決めたばかりの措置を撤回すると告げたメルケル首相©️PHOENIX

メルケル首相は、3月24日、前日に16州の首相とのオンライン・コロナ対策会議で決定した、イースター(復活祭)期間の全ての企業や店舗に対する厳しい追加的ロックダウン措置を間違いだったと撤回し、混乱を招いたことに対して全ての市民に謝罪した。メルケル首相の謝罪に対するドイツの新聞論調と、その後の世論調査の結果をお伝えする。 続きを読む»

福島第一原発事故10年、ドイツの新聞論調

ドイツのテレビは、3月初めから福島第一原発事故の特集番組を組んで、当時の衝撃的な映像を流し、今に続くその影響を紹介し、新聞もさまざまな特集記事を掲載した。最大規模の原発事故から10周年の3月11日朝9時には、スヴェンニャ・シュルツェ連邦環境・自然保護・原子力安全相が記者会見して、ドイツ政府の見解を明らかにし、その様子は公共テレビで放映された。ドイツのほとんどの新聞は3月11日 の紙面で、原子力エネルギーの利用について解説を載せている。 続きを読む»