ドイツ語で「ジェンダーする」

ドイツ語は結構厄介な言葉だ。人物を表す名詞に、例えば日本語の友達や英語の friend のように、一語で男女両性の友達を指す、つまり男女を区別しない便利な名詞がほとんどないのだ。英語の friend に綴りも近いドイツ語の Freund は友達を意味する言葉だが、これは狭義には男性の友達しか指さない。それにも関わらず、ドイツの公的文章や一般の文章では通常、男性を指す名詞が広義に解釈された形で用いられ、それには女性も含まれる。そのために以前から、「女性は無視されている」と不満を持つ女性や「アンフェアだ」と考える男性が増えてきており、ちょっとした論争を引き起こしている。

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ロシアが天然ガスの供給を停止?ドイツに危機

©️Milosz1/flickr

長い間、ロシアからドイツにパイプラインを通して送られて来ていた大量の天然ガスの供給が、7月11日以降途絶えるかもしれない。送られて来るガスの量は、既に6月16日以後、一方的に契約上の量の40%に減少されてしまっている。そして、7月11日に始まる主要パイプライン、ノルトストリーム1の点検のための供給一時中断後に、果たして供給が再開されるかどうか懸念されているのだ。ロシアから天然ガスが来なくなると、ドイツは非常に大きな打撃を受けることになる。

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在ドイツの米核兵器維持に、過半数が賛成

2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻は、ドイツの政治や経済に大きな課題をもたらしただけでなく、物価上昇などを通じて市民の日常生活にも影響を与えている。それだけでなくロシアによるこの戦争は、核兵器に対するドイツ人の意識も変えたことが、ある世論調査でわかった。

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ロシアのウクライナ侵攻  ー ドイツの若者にショック

ウクライナに連帯を示す若者のデモ(ベルリン、2月27日)。

ドイツの若者はここ数年来、気候変動問題、コロナ・パンデミック、そしてこの春からは欧州地域での戦争に直面し、心理的に緊張した状態に置かれている。特に、飛行機に乗れば僅か2時間で行けてしまうウクライナへのロシアの侵攻は、若者にショックを与えているようだ。2022年夏版の『ドイツの若者・トレンド調査』からお伝えする。

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ウクライナ危機への対応、分かれるドイツの世論

いまだに続くロシアのウクライナへの攻撃は、ドイツに大きな試練をもたらしている。安全保障政策や国防政策、そしてエネルギー政策の突然の見直しを迫られたからだ。その結果、紛争当事者に武器を提供すべきかなど、本来ならば議論を重ねて検討すべき国のあり方の根幹に関わる問題について、次々と新しい方針が打ち出されている。ドイツ市民は、ドイツ政府のこの急激な方針転換を、どう受け止めているのだろうか?

ロシアのウクライナ侵攻直後の2月27日にベルリンで行われたウクライナに連帯を表明するデモ。10万人以上が集まった。

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ドイツでも増えている、ウクライナからの避難民

2月24日にロシア軍がウクライナに侵攻してからすでに1ヶ月以上が経った。欧米諸国などからの再度の停戦の呼びかけを無視し、ロシア軍はウクライナ各地で砲撃やミサイルなどによる攻撃を続けている。ベルリンに住んでいると、この戦争が近くで行われていると、ひしひしと感じる。毎日のように、ウクライナから多くの避難民が来ているからだ。

目的地はどこなのか。ベルリン中央駅で一休みするウクライナからの避難民。小さな子供を連れた女性がとても多い。

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