使い捨て社会からの脱却を目指すスウェーデン
スウェーデンは、住民が製品の使い捨てを避けて、出来るだけ修理・修復を優先させるように、年初めから同国の消費税率を一部改正した。住民が消費の姿勢を変更することで修理職人の仕事を活性化し、同時に二酸化炭素の排出量を減らすことが目的だ。
スウェーデンの消費税率は世界でも最も高く、一般税率は25%に達する。しかし、製品・サービスによっては税率が12%、6%、あるいは0%という例外もある。例外は主に住民の福祉や教養、日常生活を考慮したもので、医者に行ったり、治療機関を訪れたりする場合には消費税がかからない。医薬品の購入や 一部の公共交通機関利用の際も消費税はゼロだ。
雑誌、新聞、書籍などの購入の際の消費税率は6%。観劇や映画鑑賞、体育館や屋外の運動場、遊園地の訪問にかかる消費税も6%だ。食料品、お酒以外の飲み物、ホテル滞在やレストラン訪問の際の消費税率は12%となっている。
今回税率が従来の25%から例外の12%に下がったのは自転車や衣料、靴の修理費などにかかる消費税、冷蔵庫や洗濯機の修理のために家庭にやってくる職人さんの労働時間にかかる消費税などだ。「物をすぐ捨て新しく買う代わりに、修理することを魅力的にしました」とペア・ボルンド消費相。消費税軽減のために政府が準備する経費は7億5000万スウェーデン・クローネ(約90億円)。「この分野の活性化が進めば、修理職人などの収入が増え、結果的に国が得る所得税も増えます」と同氏。
政府は引き続き、中古車の販売を促進する予定だ。また、一台の車を多数の人が所有・利用するカーシェアリング・システムや同じ目的地に向かう人たちに自分の車の空席を提供する乗り合いシステムなどにも低い消費税率の適応を考えているという。
かつての日本も、修理しては使う、物を大事にする社会でした。スウェーデンの消費税の設定、賢い社会とは、このようなあり方を言うのでしょうね。