再生可能エネルギー法改正
ドイツ連邦議会はこの7月、風力や太陽光、バイオマスで発電される再生可能電力の促進に関し、再生可能エネルギー優先法(略称:再生可能エネルギー法、EEG)の再度改正を決定した。再生可能電力の拡大ペースとコストを抑制することが目的だ。主な内容は、今までのように国が固定の買い取り価格を決める制度を廃止し、2017年1月からは競争入札制度を導入することと、促進に上限を設定したことだ。
ドイツでは16年前にEEGが導入されたことにより、再生可能電力が大きく伸び、総発電量の3分の1を占めるようになった。自然エネルギーで発電された電力の総量が20年間、投資者にとり採算の合う固定の買い取り価格で買い上げられるという前提が、再生可能電力の促進、普及に非常に効果的だったからだ。このことが影響して、世界規模で太陽光パネルの価格が低下したことは事実だ。
しかし、増え続ける再生可能電力がドイツの電気料金を高くしていることも事実だ。理由は、再生可能電力の生産者に支払う固定価格と卸売市場で得られる電力の販売価格との差額が大きくなっているからだ。この差額は賦課金として消費者の電気料金に上乗せされるのだが、自然電力の量が増えれば増えるほど、電力市場に電力が溢れて電力の卸売価格が低下し、その分、賦課金が膨らんでいる。
新しい制度では、政府が、促進する再生可能電力の容量を、風力発電、太陽光発電、バイオマス発電それぞれ個別に提示し、入札者を募り、それぞれの発電方式に対し最も低い買い取り価格を要求する発電事業者が落札する。落札した事業者には要求した買い取り価格が(今までの固定買い取り価格同様)20年間 支払われる。ドイツ政府は、これによって再生可能電力の拡大速度と買い取り費用が抑えられるとみている。
2017年以降に入札制度を通して促進される新設の発電装置の容量の上限は、陸上風力発電が2019年まで年間2800MW、その後年間2900MW。バイオマス発電は2019年まで年間150MW、その後年間200MW。太陽光発電の場合は年間2500MWの促進を目指すが、その内の600MWは発電規模が750KW以上の装置からの入札を募る。750KW未満の個人や商店の屋上などに設けられた小規模装置1900MWに関しては、 今まで通り固定価格が支払われる(この固定価格は規模により異なり、現在は1kWh当たり10ユーロセント前後だが、将来は低下が進む見込み)。洋上風力発電は2020年以後に稼働を開始する装置から入札制度が取り入れられ、年間730MWが促進される。それ以前は現行制度が継続され年間約6500〜7700MWの増加が見込まれている。
新しい制度は2017年1月から導入されるが、その効果が現れるのは2019年以降だろうと専門家はみている。今年末までに許可を得た装置には、今まで通りの固定買い取り価格が支払われるからだ。
現状に合わせて、いろいろと工夫を重ねているのですね。私の家の屋根には、5年前から5.2kilowattのパネルが載せてあります。当時の固定価格(10年)は1kilowatt42円でした。今のレートですと、30ユーロセント弱です。今年の買い取り価格は31円となりました。