ドイツ人は今も81%が脱原発支持
福島の原発事故から4年後の今も、ドイツ人の大多数はドイツ政府の脱原発決定を支持している。こんな世論調査の結果をドイツの大衆紙、「日曜版ビルト」がこのほど発表した。
ドイツ政府は福島の事故を受けて2011年6月末、同国の全ての原子炉を2022年末までに停止することを決めた。その後、ドイツの再生エネルギーの発電量は大きく伸び、昨年末までに総発電量の25.8%にまで達した。この分だと、再生可能電力が石炭やガス火力発電と共に、これからの7年間に原発の発電量を完全に補うことは充分考えられ、国内の電力不足の心配は少ない。また、ドイツの送電網は近隣諸国の送電網とも繋がっているので、近隣諸国との電力のやり取りが可能で、その点からも電力不足の心配は少ない。
ただ、再生可能電力の増加で、同電力促進のために消費者が電力料金に上乗せして支払う賦課金は増え、電気料金が全体として(今年の僅かな一部値下げを除き) 年々上昇している。また、従来の電力大手は軒並み経営不振に陥っており、株価は下落し、配当金も減っている。このため、地域の電力会社の大株主であり、配当金を当てにしている地方自治体などで、収入低迷に悩んでいるところも多い。
そこで、2011年当時極めて高かったドイツ人の脱原発支持率がどう変動したかは、興味深い。
世論調査会社エムニド社が3月12日に実施した500人を対象とした無作為抽出世論調査では、ドイツ人の81%が脱原発決定を「正しい」とし、「正しくない」と答えた人は16%に留まった。「正しい」と答えた人がより多かったのは旧西独地域で83%、旧東独地域では74%だった。また、脱原発の支持率が特に高いのは若い世代で、14〜29歳で93%だった。40〜49歳では76%に下がる。
更にドイツ人は、再生可能電力の促進のために賦課金として年間で合計約200億ユーロ(約2兆5800億円)という巨額のお金を支払っているのだが、質問を受けた過半数がこれを妥当だと見ている。賛成者は53%、反対者は35%だった。女性の賛成者は63%で、男性の50%より多かった。
日本もドイツを見習って、脱原発に舵をきるべきでしょうね~
[NHK国際放送:元英語アナウンサー]