ドイツで火力発電減少、再生可能電力は需要の27%カバー

ツェルディック 野尻紘子 / 2014年6月8日

褐炭を燃やす火力発電の増加が主な理由で2013年に二酸化炭素の排出量が増えたドイツで、2014年の第1四半期に火力発電が大幅に減少した。これに対し再生可能電力がドイツの電力需要総量に占める割合は全体の27%に上昇した。ドイツ全国エネルギー・水利経済連盟(BDEW、Bundesverband der Energie- und Wasserwirtschaft)の発表による。

BDEWによると、今年1月〜3月までの3ヶ月間のドイツの総発電量は164TWhで、前年同期比5.4%減だった。暖冬で熱需要が低下したことが主因だが、非常に良いお天気の日が続き、太陽光発電などの再生可能電力が増加したことも大きく影響した。

個別では石炭による火力発電量が前年同期比で17.4%減、天然ガス発電19.7%減、褐炭発電4.8%減、原発4.6%減となった。

一方、太陽光発電は前年同期比で82.5%増。風力発電も好調で、オンショアが同20.6%増、オフショアは同33.5%増だった。この他バイオマス同5.4%増、地熱発電同195%増などとなったが、水力発電は水不足で同25.2%減だった。

発電量および発電量の推移は以下の通り:

原発 28.173 TWh –    4.6 %
褐炭火力発電 41.122 –    4.8
石炭火力発電 29.823 –   17.4
天然ガス火力発電 18.496 –   19.7
水力発電 4.148 –   25.2
オンショア風力発電 17.364 +  20.6
オフショア風力発電 0.395 +   33.5
太陽光発電 6.112 +   82.5
バイオマス発電 11.242 +      5.4
地熱発電 0.030 + 195.0
ごみ 1.392 +    24.0
その他 7.681 –       6.1

 

太陽光発電は同期間中に大変大きく伸びたが、ドイツ全国ソーラー企業連盟(BSW 、Bundesverband Solarwirtschaft) によると、今年1月〜4月の間に新たに設置された太陽光パネルは618メガワットに留まり、1年前の同期間の約半分、2年前の同期間の約4分の1だという。なお、2013年にドイツで発電のために排出された二酸化炭素は3億5800万トンで、前年比2%増だった。

 

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