確かに下がる原発依存率

ツェルディック 野尻紘子 / 2013年7月7日

連邦統計局の2013年7月2日発表によると、ドイツでは昨年も再生可能電力の生産量が増え、電力総生産量の22.1%を占めた。これはドイツ政府が脱原発を決定した前の年、つまり福島の原発事故が起きる1年前に当たる2010年の16.4%に比べて5.7%増になる。これに並行して原子力発電の割合は昨年16.1%となり、2010年比で6.3%減っている。昨年のドイツの電力総生産量は617.6 TWhだった。

Der deutsche Strommix2012年の再生可能電力の内訳は、風力7.4%(2010年比1.4%増)、バイオマス5.8%(同1.3%増)、太陽光4.5%(同2.6%増)、水力3.4%(同0.1%増)、家庭のゴミ0.8%(2010年と同じ)だった。

ただ、問題なのは環境に良くない石炭と褐炭による発電が過去2年間に増えていることだ。理由は、再生可能電力が、再生可能エネルギー優先法(略称EEG、Erneuerbare-Energien-Gesetz)の規定に従って、 優先的に送電網に取り入れられるからだ。そのためにガス発電や褐炭・石炭発電は、再生可能電力が多い時間帯には発電を中止しなくてはならなくなる。 燃焼の際に二酸化酸素の発生量が石炭などより少ないガス発電の場合、運転時間が短いと、高い燃料費のために設備の採算が既に合わなくなって来ており、その分が主に価格の安い褐炭発電に回っている。

再生可能電力が果たして今年、褐炭発電を抜いて1位になるかどうかは未だわからない。 関連業界団体であるドイツ全国エネルギー・水利経済連盟(BDEW Bundesverband der Energie – und Wasserwirtschaft)がこのたび発表したデータによると、2013年前半には過去最高の太陽光電力(昨年同期比0.2%増の14.125GWh)が発電されたが、風力発電は同9.5%減の22.531GWhに留まったという。

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