自分のカップ持参なら20セント割引
ドイツ鉄道は、同社の特急列車 Inter City Express(ICE)とInter City(IC)の食堂車で、これからは「フェアに扱われたコーヒー」だけを提供する。また、乗客が自分のカップを持参した場合には、20ユーロセント(約24円)の値引きをする。南米やアフリカなどの生産者に安定したフェアな収入を確約するコーヒー豆を使用することで、社会的責任を考慮すると同時に、環境保護も頭に入れた政策だ。2016年にスタートした同社の「将来の電車品質プログラム」の一環をなす。
フェアに扱われたコーヒーとは、 コーヒーの世界市場での価格の高低には左右されず、コーヒー豆の生産者の労働に見合った、決められた価格で買い上げられるコーヒーを指す。価格には生産者間の共同プロジェクトへの援助金も含まれているが、年少者の労働を排除し、生産のために環境を破壊しないことも条件になっている。
ドイツ鉄道は、ドイツでも最も多量のコーヒーを販売する企業の一つで、2016年にはICEとICで ビオ品質のコーヒー豆を1000万カップ分、174トンも消費している。同社はさらに220万袋のティーバッグと25トンのココアも消費している。これらは価格にするとそれぞれ2600万ユーロ(約31億2000万円)、320万ユーロ(約3億8400万円)、84万ユーロ(約1億80万円)に相当する。同社は、これからはお茶類とココアもやはりフェアに扱われたものだけを提供するという。
一方、ドイツでも世界的傾向で、コーヒーのテイクアウト、使い捨て紙コップが急速に増加している。ゴミの増加を避け資源を節約するために、ドイツ鉄道は食堂車に自分のカップを持参してホットドリンクを求めに来る乗客に対し、1カップ当たりの価格を20ユーロセント割り引く。持って来るカップの条件は、衛生的に清潔であること、飲み物の規定容量が十分に入る大きさであることだそうだ。
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チリも積もれば山となる、というところ、見習いたいものです。今年亡くなった尾形憲さん(平和運動家、法政大名誉教授、本人は自己紹介のときは、不名誉教授と言っていました)は、いつも箸を持ち歩いていました。