エネルギーシフトとブンデスリーガ

まる / 2011年8月15日

シグナル・イドュナ・パーク南側スタンド

最近、ブンデスリーガの昨季の王者ボロシア・ドルトムントが、太陽光発電を専門とするQ-Cells社とスポンサー契約を結んだことを発表しました。Q-Cells社というのは、ドイツのザクセン・アンハルト州の”ソーラー・ヴァレー”と呼ばれる地域で1999年に創立された会社で、太陽光発電に関わるあらゆる製品を開発生産し、発電所規模の大型プロジェクトも行っています。

この提携により、ドルトムントのホームスタジアム、シグナル・イドュナ・パークの屋根と壁に、今年10月までにQ-Cells社のソーラーパネルが設置されることになったそうです。これにより、年間860000kWhの電力が発電できることになるそうで、それは215家庭で必要な電力をまかなえる量だそう。

設置されるのはQ.SMARTという薄型のモジュール8768枚。Q-Cells本社のある、旧東ドイツのビッターフェルトという町で製造されていています。

ドルトムントには今夏、他にも20社ほどの太陽光発電の会社から、スポンサーになりたいとの申し入れがあったことからも分かるように、エネルギーシフトはサッカーリーグにも影響を与えているようです。

確かに最近、他のクラブでも、スタジアムにソーラーパネルを取り付けたりはしなくても、スタジアム内のLED広告などでSolarとかSunと付くスポンサー名をよく目にします。

レヴァクーゼンでは今季からSunPower社(米国)が胸のスポンサー(メインスポンサー)になりましたし、バイエルンではYingli Solar社(中国)、ブレーメンではSunEarth社(中国)、HSVではHanwha Solar(韓国)、ハノーバーはCanadian Solar(カナダ)、ホッフェンハイムはSuntech(中国)など、太陽光発電のグローバルプレーヤーが、いろいろな形でどんどんスポンサー契約を結んでいます。

ドルトムントはQ-Cells社との提携を結ぶにあたり、「共にエネルギーシフト大使となりたい」と言っています。8月5日の開幕戦、日本代表の香川真司選手も大活躍だったドルトムント対HSV戦は、199カ国でテレビ放送されたそう。秋にチャンピオンスリーグや欧州リーグなどの国際大会も始まれば、各クラブの広告塔としての効果は更に高まります。世界的にブンデスリーガ・ブームが起きている今、持続可能エネルギーの関連会社もうまく乗ったものだと感心します。