2050年までに「エコな郵便配達」を可能に

どみそ / 2017年12月3日

先頃、ドイツ社会民主党(SPD)党首のマルティン・シュルツ氏は、ベルリンにあるドイツ郵便の子会社を訪れ、同社の小型トラック規模の小包配達車「ストリート・スクーター」(下記写真)について誉めた。というのも、この小型配達車が電気自動車なのである。このストリート・スクーターの成功は、大手の自動車企業にとって大きな刺激になるだろう、とシュルツ氏は語った。

参考写真:Deutsche Post AG

そもそも、ドイツ郵便が電気小包配達車を導入したのには、自動車の増加に伴い温室効果ガスの排出が増えているうえ、さらにディーゼル車がスキャンダルを巻き越したという背景がある。ディーゼル車は二酸化炭素(CO2)の排出量が少なく、クリーンなイメージを持たれていたが、気管支疾患の原因となる酸化窒素や粒子状物質などの危険物質を排出することが一般に知られてきた。それを受けて、最近シュトゥットガルト市の行政裁判所がディーゼル車の走行禁止を認めるという判決を下している。( 記事「業界と政治がディーゼル車の走行禁止に反対」)。現在、地球温暖化対策として、電気自動車の導入が欠かせないという声が高まっているが、実際には思うようには進んでいない。そんななかでドイツ郵便のストリート・スクーターは話題になっており、年内までに現状の1万台から2万台へと増産する見込みだ。

今年7月末から、ベルリン市内で40台のストリート・スクーターが走っている。ドイツ郵便の報告によれば、年間およそ150トンのCO2の削減につながるという。同社の配達手段には、約600台の電気バイク、約250台の電気三輪車もある。現在生産されているストリート・スクーターの定価は、1台3万1950ユーロから3万8950ユーロ(およそ415万3500円から506万3500円)で、一度の充電で80kmの走行が可能だという。

ドイツ郵便は、この先10万台のストリート・スクーターの生産ができるという。「2025年までに70%の配達がエコになる」と、ドイツ郵便幹部のユルゲン・ゲルデス氏は話した。ドイツ郵便は、2050年までにCO2を排出しない郵便配達システムを確立し、すべての配達車を電気自動車で行うようにする予定だ。ストリート・スクーターは、2010年にアーヘン工科大学で開発され、スタートアップしたが、2014年からはドイツ郵便の子会社になっている。ドイツ郵便で使用するだけでなく、輸送車として外部からの注文もある。

しかし、ドイツで有力な会計監査事務所・KPMGは、ドイツ国内のとくに大都市での個人向け小包の配達総数が、2025年までに現在の二倍になると予測している。となれば、ストリート・スクーターの需要はさらに高まり、電気自動車の導入の流れは、今後ますます広がりを見せるだろう。ただし、電気自動車のエネルギー源である電気の多くは、いまなお火力発電によってつくられていることを忘れてはならない。

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