「エネルギー転換に向けての対話」ー 日本はなぜ不参加?

こちゃん / 2016年4月17日

この3月、昨年に続き第2回「ベルリン、エネルギー転換に向けての対話」がドイツ外務省で開催された。ドイツ政府の招待を受けて集まったのは、74ヵ国から出席した1000人以上の政府代表やエネルギーの専門家、経済関係者やジャーナリストたちだった。研究や実績の発表、意見の交換が文字通り活発に行われた。

開会に当たり、開催者として挨拶をしたドイツのシュタインマイヤー連邦外務相は、化石燃料を一切使わずに世界一周飛行に出たスイスの著名な冒険家ピカール氏を引用し、「エネルギー転換は環境に良いだけではない。論理的な必然性がある」とまず発言。「持続的なエネルギーの供給は、外交上の重大な課題でもある。貴重な資源の獲得に関わる紛争は、次世代まで続くだろうし、気候変動の悪影響は安全保障問題にも関わる」と述べた。同氏は、ドイツや他の国々がこれまでに達成した成果をエネルギー転換の大きな第一歩と評価し、「10年前に、これほどの進歩が可能だと考えた人はいただろうか」と問いかけた。そして今までの実績から、エネルギー転換は技術的にも経済的にも可能であることが分かるようになったとし、今回の「対話」が世界の キーパーソン同士の貴重な話し合いの場となることを望んだ。

ドイツのガブリエル連邦経済・エネルギー相は、ドイツのエネルギー転換が同国の将来に関わる重要なプロジェクトの一つであることを指摘し、「持続可能なエネルギー政策は、環境保護の視点からも経済の面からも意味を持つ」と強調した。「ドイツでは再生可能電力が既に総発電量の約3分の1を占めるまでに至っている。それでも、これからもまだしなくてはならないことが沢山あるので、お互いに経験を分かち合い、学んでいくことは大切だ。それが相乗効果をもたらし、少ないコストで、しかもより早く目的を達成するために役立つ」と語った。

共催者であるドイツ全国再生可能エネルギー連盟(BEE)のブリックヴェデ会長は、「昨年末パリで開催された国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)後に催されるこの会議の目的は、安全で環境に優しく、世界規模のエネルギー転換を経済的に促進するための国際間の対話を続けることにある。世界規模のエネルギー転換の成功は、政治及び民間、そして重要な市場関係者の行動にかかっている 。ドイツは国際的なパートナーに我々の経験を伝える準備があり、彼らと持続可能で高効率なエネルギー供給システム構築のための次のステップについて話し合いをしていきたい」と語った。

この会議にはノルウェー、南アフリカ、サウジアラビア、チュニジアを含む多くの国から多数の閣僚が参加していた。各国の関連省庁の代表も多く来ていた。そして首都ベルリン在の各国大使館の大半は大使や職員を会場に送っていた。だが日本の政府関係者は – 分厚い参加者名簿を繰り広げて見たが – 大使館員を含めて一人も来ておらず、日本は昨年に続き今年も影が薄かった。日本は、こと再生可能エネルギーに関しては立役者にもなりたくないし、一切リーダーシップも取りたくないのだろうか。他国の関係者と意見交換も議論もしたくないのだろうか。日本からの参加は地方自治体、NGO、ベルリン在住の記者ぐらいだった。

国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は今会議を機に、「再生可能エネルギーの未来に向けた行程表(ROADMAP FOR A RENEWABLE ENERGY FUTURE)」という報告書を発表した。それによると、2030年までに世界の再生可能エネルギーを現在の倍に増やすことは実現可能で、そのためにかかる経費は、そうしなかった場合に空気汚染と気候変動の悪影響を取り除くために必要となる経費の15分の1で済むという。

世界は、COP21会議の合意もあるし、協力して、CO2を出さず再生可能エネルギーを使う社会に向かっているのではなかったのだろうか。それなのに日本は協力を拒み、孤立していないだろうか。日本の技術と経済は、もっと環境保護、世界平和のために貢献できるはずだ。

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3 Responses to 「エネルギー転換に向けての対話」ー 日本はなぜ不参加?

  1. 折原利男(埼玉県) says:

    「2030年までに世界の再生可能エネルギーを現在の倍に増やすことは実現可能で、そのためにかかる経費は、そうしなかった場合に空気汚染と気候変動の悪影響を取り除くために必要となる経費の15分の1で済むという。」

    このような「国際再生可能エネルギー機関(IRENA)」の情報が、今、最も必要で、それを日本のメディアが伝える必要がありますね。目先の利益だけしか視野に入らない、入れない、日本の政財、官界、そしてそれを伝えないメディア、本当に歯がゆく、情けなく思います。

    このような大事な情報、これからもお伝えください。

    • こちゃん says:

      コメントをありがとうございました。いつも「みどりの1kWh」を読んで頂けて、嬉しいです。

  2. 若大将 says:

    今晩は。
    17日の当方のコメント、ドイツやアメリカなら・・のアメリカとは、大統領予選で、圧倒的な若者達の支持するサンダース候補躍進を想起してでした。 ドイツでは以前から若者の社会や政治、環境意識が高いですよね。
    日本でも第二次大戦の敗戦後から、1970sまでは、多数の若者が立ち上がっていた様ですが。サンダース候補に近い、美濃部都知事もいたし・・・
    郷土の環境の未来は若者のものの筈。日本の若者も立ち上がって欲しいですね。