アンダーコントロールを信じないドイツのメディア

東日本大震災、福島の原子力発電所の事故から3年目。3月11日が近づくとドイツの新聞、テレビ、オンラインなどのメディアで福島の状況に関する報道増える。福島は「起きてしまったこと」ではなく、「現在も起きていること」としてメディアが注目しているのだ。事故後3年を迎えて、ドイツにいる私たちにとって衝撃的な報道がいくつかあった。 続きを読む»

福島の被災者との出会いから生まれた詩と写真の展覧会

地下鉄U3のOskar-Helene-Heim駅前すぐに見える展覧会の看板

地下鉄U3のOskar-Helene-Heim駅前すぐに見える展覧会の看板

福島の被災者との出会いから生まれた詩と写真の展覧会「Out of Sight.」が、3月28日(金)までベルリン日独センターで行われている。詩を書いたのは、長くドイツで暮らし、日本語とドイツ語の両方で小説や詩を作っている作家・多和田葉子さん。写真を撮ったのは、フランスのマルセイユ生まれでロンドンとベルリンを拠点に活動する写真家デルフィーヌ・パロディ=ナガオカさんである。 続きを読む»

第64回ベルリン国際映画祭(2) - 山田洋次監督の反戦への想い

Yoji Yamada

記者会見での山田洋次監督

今年のベルリン映画祭のコンペ部門は、華やかな「グランド・ブダペスト・ホテル」で開幕し、山田洋次監督の「小さいおうち」で幕を閉じた。山田洋次監督はベルリン映画祭のいわば常連だが、今回の映画はこれまでの山田作品とはひと味違うとベルリンでは受け取られたようだ。この映画に出演した黒木華(はる)さんが銀熊賞の最優秀女優賞を受賞したが、ドイツの新聞批評のなかには「山田監督のおかげで受賞できたのだろう」と辛口のものもあった。山田監督は黒木華に「特別の演技はしなくていい」と注文を付けたとか、彼女の演技らしくない演技、彼女の持ち味と自然な立ち居振る舞いが審査員に評価されたのかもしれない。

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第64回ベルリン国際映画祭(1) - 子どもがテーマの映画が印象に残った年

銀熊賞を受賞した黒木華さん

2月6日から16日まで開かれた第64回ベルリン国際映画祭。今年は子どもを取り巻く環境をテーマにした映画が多く、子役の活躍も目立った。ベルリン映画祭では、グランプリである金熊賞が大方の批評家やジャーナリストの事前の予想に反する意外な映画に与えられることがしばしばあるが、今年もその例に漏れなかった。コンペティション部門の話題作を押さえて金熊賞に輝いたのは、中国の若いディアオ・イーナン監督のフィルム・ノワール(サスペンス映画)「白日焔火」(Black Coal,Thin Ice)で、人々を驚かせた。

 

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2013年、また下がった原発依存率

ドイツの電力発電総量に占める原子力発電の割合が2013年にまた縮小し、15.4%に下がった。前年比0.4%減に当たる。一方、再生可能電力の割合は前年比1.1%増で24.7%、総量のほぼ4分の1に達した。エネルギー転換のためのシンクタンク「アゴラ」が発表した。 続きを読む»