村上春樹さん、ヴェルト紙で語る

村上春樹さん作品が並ぶ棚  ベルリンの本屋さんで

村上春樹さん作品が並ぶ棚
 ベルリンの本屋さんで

毎年ノーベル文学賞候補として名前が挙がる村上春樹さんは、ドイツでも大人気作家の1人です。私の周りにも、『ノルウェーの森』や『1Q84』を読んだという人はけっこういます。今年の秋にも、ノーベル賞受賞こそなりませんでしたが、ドイツの日刊紙「ヴェルト(Die Welt)」による「ヴェルト文学賞」に選ばれて、ベルリンでの表彰式でスピーチを行ったことは、日本の各メディアが取り上げました。実はそれに先立って、同紙の日曜版(11月2日)で稀なインタビューが掲載されていました。 続きを読む»

恥の歴史を記憶に留める - 「国民哀悼の日」に考えさせられたこと

ドイツでは夏時間が終わる10月下旬になると、急に冬の足音が聞こえてくる。11月に入ると、日の暮が早くなり、お天気もどんよりとした曇りの日が多い。この月は死者に思いを馳せるときで、毎年のことながらベルリンの日刊紙「ターゲスシュピーゲル」では、死んだときにどうするか、墓地の特集などを組んでいる。そして11月第3週の日曜日は「国民哀悼の日(Volkstrauertag)」となっている。 続きを読む»

日本の国会解散、総選挙に対するドイツ語圏のメディアの反応

朝日新聞は11月22日の紙面で、「解散、各国が関心」という記事を載せ、「TPP(環太平洋経済連携協定)の早期締結が安倍首相の助けになるだろう」などというアメリカの「ワシントン・ポスト」の記事や中国や韓国の反応などを載せた。ヨーロッパでは同社のヨーロッパ総局のあるイギリスの解散の意図を分析する論調と、マイナス成長のイタリアの「アベノミクスに注視」という当たり障りのない反応が取り上げられているだけで、なぜかEU最大の国ドイツの反応はなかった。そこできょうはドイツとドイツ語圏のメディアの反応をお伝えすることにする。 続きを読む»

捨てた家電製品はいったいどこへ?くずを追え その4

alles Lügeジャーナリストグループ「Follow the Money」のルポ「家電くずを追え」は視聴率がもっとも高いと言われている政治番組「パノラマ」で放映されました。このドイツ公共第1テレビの番組は定期的に木曜日に放送され、視聴者数が毎回平均348万人に上るそうです。家電機器廃棄物がきちんと処理されていると思っていた市民にとって、この情報は意外でした。そして、ノイミュンスター市の廃棄物回収所の責任者は次のように答えました。

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儲からなくても止められない火力発電所

ドイツのあちこちの電力会社が火力発電を止めようとしている。儲からないからだ。赤字のところもある。理由は、風力や太陽光発電の増加で電力が市場に溢れ、電力の卸売り価格が、ドイツが脱原発を決めた2011年以来、半額以下になってしまったためだ。しかし全国の停止申請中の発電所が全て止まってしまうと、電力の安定供給に問題が発生することになる。そこで、当局から発電停止を拒まれた電力企業が今、発電能力維持の条件を国と交渉している。 続きを読む»

ドイツ語圏での報道:原子炉 vs 金属ブラシ、巨大権力 vs 一個人

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2014年11月9日はベルリンの壁崩壊25周年で、10月に入ってからはテレビも新聞も25年前の高揚を再現する報道が目立っていた。それでもドイツではドイツ公共第一テレビ (ARD) 、オーストリアでは公共第一ラジオ放送(Oe1)が、それぞれ現在の日本の原発をめぐる番組を放送した。ARDもOE1も日本でいえばNHKと同じ公共放送である。テレビやラジオだけではなく、新聞紙上でも収束作業の進展しない福島原発の状況を伝える報道が後を絶たない。 続きを読む»