ドイツに社会民主党の新政権誕生

12月8日午前、ドイツ連邦議会には9月26日の連邦議会選挙で新たに選出された議員が一堂に集まり 、今回の選挙で第1党になった社会民主党(SPD)のオーラフ・ショルツ氏を新たな連邦首相に選出した。ショルツ氏はその直後に大統領府に赴き、フランク=ヴァルター・シュタインマイヤー連邦大統領から辞令を受け、再び連邦議会に戻り、連邦首相として国民に仕えることを宣誓した。新首相の誕生した瞬間だ。続いて男女16人の閣僚も大統領府に向かい、大統領から辞令を受け、連邦議会に戻って、議会の前で宣誓した。そして新政権が樹立した。

連邦議会で国民に仕えることを宣誓するショルツ新連邦首相

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新政権樹立についてのドイツの新聞論調

先週の水曜日、12月8 日は、ドイツにとって歴史的な日となった。この日、16年ぶりに社会民主党(SPD)の連邦首相が誕生し、ドイツ連邦共和国の歴史上初めてと言われる、3党連立による新政権が成立したのだ。それとともに16年間続いたメルケル政権が終わった。翌12月9日のドイツの新聞論調をお伝えすることにする。

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ついに始まる、ワクチン未接種者などへのロックダウン

ワクチン接種を行なった人かコロナ感染から回復した人しか店内に入れないことを示す2Gの目印 。

「この冬が終わる頃には、ワクチン接種をした人か、コロナにかかったが回復した人か、コロナのせいで死亡した人しかいなくなるだろう」。コロナで亡くなった人を侮辱しかねないドイツ連邦保健相イェンス•シュパーン氏 (新政権樹立までの暫定保健相/キリスト教民主同盟=CDU)のこの発言は、物議を醸した。しかしこの発言のあった11月23日以降、ドイツではコロナの新規感染者が1日に7万人を超える日が続き、シュパーン氏の言葉が現実味を持ってきた。ドイツは今、大きなコロナ•ウイルスの波に飲み込まれている。

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独マインツ市、膨大な “ワクチン収入” で財政が黒字に転換

日本では主に「米ファイザー社の新型コロナウイルスのワクチン」として知られているBNT162b2。ドイツ西部、ラインラント・ファルツ州の州都マインツ市に本社を置く若いバイオンテック社が開発し、ファイザー社と組んで1年前の11月に完成させたものだ。 世界中で引っ張り凧のこのワクチン、日本人を含む世界の何億人もがすでに接種を受けている。同社からの税収入で、所在地マインツ市の財政が一挙に万年赤字から黒字に転換することが明らかになった。

ライン川添いの州都マインツ市©️Landeshauptstadt Mainz/Angela Neumann

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メルケル首相、脱原発の決定を弁護

10月22日、彼女にとって最後となったEU首脳会議の後、記者会見に臨むメルケル首相©️Bundesregierung

気候変動対策が緊急の課題になるにつれ、ドイツ内外の政治家や経済界の代表などから、「2011年のフクシマの事故をきっかけにドイツが段階的な脱原発を決めたのは間違っていたのではないか」、あるいは「脱原発と脱火力発電の順序が逆の方が良かったのではないか」などという議論が起こってきている。そんな中でドイツのアンゲラ・メルケル連邦首相(新政権樹立までの暫定首相、キリスト教民主同盟/CDU)は、国際的な通信社ロイターとのインタビューで「10年前の脱原発の決定は間違ってはいなかった」と改めて表明した。 続きを読む»

EU内の原子力をめぐる対立、マクロン大統領とメルケル首相の「アトミック・ディール」?

11月11日、ドイツのスヴェンニャ・シュルツェ連邦環境・自然保護・原子力安全相(9月の連邦議会選挙後、新政権樹立までの暫定相)は、第26回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)の開催地、英国のグラスゴーで、オーストリアなどとの5カ国の共同声明を発表し、「原子力は地球温暖化防止の解決策にはならない。原子力は危険であるほか、発電所の建設に時間がかかり過ぎるし、持続可能でもない」と改めて強調した。 続きを読む»