連邦議会で行われたナチ犠牲者のための追悼式典

ドイツの大統領と三権の長、そして来賓の2人が席について式典が始まった。

しんと静まりかえったドイツ連邦議会の本会議場にテノールの歌声が響き渡った。ピアノとクラリネットが伴奏する哀愁を帯びた旋律のその曲は、ゲットーのどこかにいるはずの恋人を、探して連れてきて欲しいと、もうすぐ訪れる春に懇願するユダヤ人の男の思いを歌ったものだ。1月27日に行われた、連邦議会主催の「ナチ犠牲者のための追悼式典」でのことだった。

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原発は地球の温暖化防止に貢献しない

昨年は温暖化のために、世界各地で前代未聞の気温の上昇、大規模な山火事、激しい豪雨や洪水など数々の大災害が起きた。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、これ以上の温暖化の悪影響を抑えるためには、温室効果ガス(主に二酸化炭素)の排出 量を減らし、2050年までにカーボンニュートラルになることしかない。つまり、化石燃料の使用をできるだけ早くやめ 、替わりに再生可能エネルギーの利用を高めれば良いのだが、再生可能エネルギーは今のところまだ十分な量が確保できていない。そこで、二酸化炭素の排出量が少ないとされる原子力発電が再び脚光を浴びるようになってきた。ただ、原発は果たして地球の温暖化防止、人類の将来に貢献できるだろうか?

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ドイツの原子炉さらに3基稼動停止、グンドレミンゲン村の様子

昨年大晦日に歴史的な使命を終えた南ドイツのグンドレミンゲン原子力発電所©️ Myratz

2011年3月の福島第一原発での過酷事故の直後、当時のドイツのメルケル政権は、段階的な脱原発を決定し、その行程表に従って当時17基あった原子炉の稼働停止を着々と進めてきた。昨年暮れには、北ドイツ、シュレスヴィッヒ・ホルシュタイン州のブロックドルフ、ニーダーザクセン州のグローンデ、それに南ドイツ、バイエルン州のグンドレミンゲンの3基の原子炉が稼働を停止した。最も新しく、最後に残った3基(北ドイツの1基と南ドイツの2基)も、今年年末までに稼働を停止する予定で、それとともにドイツの原子力エネルギー利用の時代は終わりを告げることになる。今回は稼働停止した3基の一つ、グンドレミンゲン原発についてお伝えしたい。 続きを読む»

「EUタクソノミー」 原子力が、緑のエネルギー⁇

ドイツでは新年を迎えた瞬間にお祝いの乾杯をする習慣があり、 元旦は寝坊する人が多い。しかし寝ぼけ眼の人も、今年は元旦のニュースを聞いて、しっかり目が覚めたのではないだろうか。 欧州委員会が大晦日の夜遅く、原子力を地球の温暖化対策に役立つ、持続可能な緑のエネルギーとみなすという方針を発表したからだ。

©️European Union 2015

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首都ベルリンに初の女性市長誕生

ドイツの首都ベルリンは、市でありながら、ハンブルクやブレーメンと同じように州と同等の扱いを受け、ドイツ連邦共和国を構成する16州の一つである。そのベルリンで昨年12月21日、ドイツ連邦共和国の設立以来、初めての女性市長が誕生した。

ベルリン初の女性市長に選ばれたギファイ氏。市庁舎執務室のデスクにて。©️Senatskanzlei/Sven Darmer

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NEW!!

明けましておめでとうございます

明けましておめでとうございます。コロナ禍のなかで2度目の新しい年を迎えることになりました。新型変種株オミクロンが猛威を振るうことが心配されていますが、まずはこのパンデミックが1日も早く収束するよう、そして皆様が健康にこの一年を過ごされるようお祈りいたします。

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