どんどん緑になるEUの電力

欧州連合の域内では2020年、再生可能エネルギーによる発電量が初めて石炭や天然ガスなどの化石燃料による発電量を抜き、電源構成の中でトップを占めたことがわかった。調査を行ったのはエネルギー転換に関するシンクタンクであるイギリスのエムバーとドイツのアゴラで、その結果が1月25日、ベルリンで発表された。

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ドイツの総発電量の約半分を占める再生可能電力

ドイツ全国エネルギー・水利経済連盟の速報によると、再生可能電力がドイツの今年の総発電量に占める割合が45%に達した。前年比では5パーセントポイント上昇したことになる。そのことを、同連盟のアンドレー会長は「再生可能電力の凱旋」と評価する。

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ドイツの「核のゴミ」、90カ所が最終貯蔵所の候補に

2011年の東京電力福島第一原子力発電所の事故の直後、ドイツは段階的な脱原発を決定した。その脱原発計画は順調に進んでおり、2年後の2022年末までに、現存する6基の原発全てが稼動を停止する予定である。残る最大の問題は、使用済み核燃料から出る「高レベル放射性廃棄物」、いわゆる「核のゴミ」の最終貯蔵所をどこに設けるかという問題だ。この3年あまりドイツ全土の地質学的文献調査を行ってきた連邦政府最終貯蔵協会(BGE 、Bundesgesellschaft für Endlagerung)は、9月28日、90地域が最終貯蔵所として適していると発表した。

旧東ドイツ地域にある低中レベル放射性廃棄物の貯蔵所モアスレーベン。安全性が確保されないので、閉鎖されることが決まっている。

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下がる再生可能電力促進のための賦課金

ドイツの消費者が電力料金に上乗せして支払う再生可能電力促進のための賦課金が来年、今年の1kWh当たり6.756ユーロ・セント(約8.3円)から6.5ユーロ・セント(約8円)に下がる。値下がりの理由は、消費者の負担を軽減するために、賦課金の一部が来年から税金で賄わられるからだ。背景には、ドイツで来年1月から二酸化炭の課金制度が導入されることがある。

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課題山積のドイツの自動車業界 ー 環境に優しい選択肢は何?

コロナ禍が原因でドイツの種々の業界が苦境に立たされている。一般市民に人気のある見本市やオクトーバーフェスト、イベントなど、大勢の人たちが集まる催し物は次々に開催中止を発表している。お天気の良かった夏には、店舗前の歩道や庭に出したテーブルが賑わったレストランや、休暇の季節でいくらか元気を取り戻したリゾート地のホテルなどの売り上げは、今のところ例年の半分以下と言われている。映画館やコンサートホールなど、コロナ規制のために入場客の数が従来の約4分の1程度に絞られている業界もあり、政府の資金援助があっても、この秋から冬にかけて倒産するドイツ企業は大きく急増するだろうと憂慮されている。そんな中、このほどドイツの基幹産業である自動車業界の代表が、連邦及び州政府の代表や労働組合関係者とビデオ会議を持った。同業界の苦境を乗り切るための話し合いになるはずだったのだ。

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コロナ禍と二酸化炭素

コロナ禍は、ドイツの二酸化炭素の排出量にどう影響するだろうか。ドイツのエネルギー転換のシンクタンクであるアゴラは 、ドイツでロックダウンが敷かれ、社会生活の一部が停止した3月末に、この国の今年の二酸化炭素排出量を1990年比でマイナス40〜45%になるだろうと予測した。しかしロックダウンが解除されてからも、市民は感染を回避するために公共交通機関を避けて自家用車を優先させたり、多くの企業でインターネットなどを利用した在宅勤務やビデオ会議が導入されたり、娯楽面でも動画配信サービスが活発に利用されるなど、エネルギーの消費は減るだけではないように見受けられる。

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