新連邦大統領にシュタインマイヤー氏 ー 現大統領ガウク氏が退任にあたって国民に語りかけたこと 

2017年2月12日、これまでドイツの連邦外相を務めてきたフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー氏が、新たに連邦大統領に選出された。本稿では、シュタインマイヤー氏に大統領職を引き継ぐ現連邦大統領ヨアヒム・ガウク氏が、1月半ば、大統領府ベルヴュー宮殿で行った任期終了にあたっての演説について取り上げる。 続きを読む»

東ベルリンのとあるパン屋で

私の住んでいる地域は、ベルリンの北東、ブランデンブルク州との境目に位置する。初めてこの地域を訪れた時は、見渡す限りのプラッテンバウ(東ドイツ時代に建設されたパネル方式の鉄筋コンクリートのプレハブ集合住宅)に思わず息を飲んだ。洒落たカフェやレストランなどはほとんどなく、駅の近くに建っている大きなショッピングセンターが、団地住民の憩いの場となっている。 続きを読む»

Yes, we can

毎日、何千人もの難民がドイツに押しかけて来ていた昨年の夏の終わり。連邦内務相がドイツに来る難民の数を「年間では80万人になるだろう」と発表し、国民が動揺した。しかしその直後の記者会見で、メルケル首相は、オバマ米大統領の Yes, we can に匹敵するような「私たちはやり遂げます(Wir schaffen das)」という言葉を、繰り返し口にした。そして今もそれを繰り返す。難民は昨年、最終的には110万人ドイツにやってきており、それがドイツ社会を大きく揺さぶっている。ドイツ政府は、この一年間に何をやり遂げただろうか。 そしてドイツ社会は今、どうなっているだろうか。

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トルコ・クーデター未遂 — ドイツに暮らすトルコ人の心境をめぐって

7月15日、トルコでクーデター未遂事件が起こってから、ドイツでは、この政変に関するニュースが、テロ関連のニュースと並んで新聞やテレビを賑わせている。たくさんのトルコ系の人たちが居住するベルリンにとって、連日の報道は決して対岸の火事ではない。 続きを読む»