ドイツの女性参政権100年に思う

ドイツの女性参政権100年の記念式典でスピーチするメルケル首相©️Bundesregierung/Steins

「ツバメが1羽飛んで来たからといって、夏が来たことにはなりません。私が首相だからといって、男女平等が実現しているわけではありません。社会の各分野で完全な男女平等を実現するべきですが、そのためにさらに100年待つようなことがあってはなりません」。こう強調したのは、この13年間、ドイツの連邦首相の地位にあるアンゲラ・メルケル首相で、並みいる女性たちから拍手喝采をあびた。11月12日にベルリンの歴史博物館内のホールで開かれたドイツの女性参政権100年を祝う記念式典でのことだった。 続きを読む»

「乾ききった夏-我々は生活態度をどう変えなくてはいけないのだろうか」

とは、8月末の日曜の晩のテレビのトークショーのテーマだった。今年のように、これほど毎日、太陽の出る夏を経験したことは、ドイツ生活50年を超す私にとって初めてだった。来る日も来る日も太陽が燦々と、いやジリジリと照り、しかも気温が高く、40度に近づく日も度々あった。そして北ドイツや東ドイツでは、何よりも4月から9月まで、雨らしい雨がほとんど降らなかった。水不足で農地にひびが入り、農作物が干からび、収穫高が例年の半分以下だったり、牧草が育たないため家畜の緊急屠殺に迫られたりした地域も出た。大多数のドイツ住民が、地球温暖化を垣間見たと感じた夏だった。それとも、それはもう始まっているのかもしれない。 続きを読む»

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2018年の新年のご挨拶

Photo by  Sachiko Aoki

皆さま、新年おめでとうございます。2018年が世界の平和と環境保護にとって少しでも良い方向に向かいますように、そして、皆さまにとって、喜びの多い幸せな年になりますように、お祈りいたします。

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ボンで開催中のCOP23の議長国は、フィジー

国連気候変動枠組み条約第23回締約国会議(COP23)が11月6日から17日までドイツのボンで開かれているが、この会議は本来、「国連気候変動フィジー会議」と呼ばれるべき会議だということを皆さんはご存知だろうか。南太平洋の島国フィジー共和国が、気候変動の影響をもっとも受ける島国を代表して初めて議長国となった会議で、フィジーのバイニマラマ首相が会議の議長を勤めている。 続きを読む»

日本の核廃棄物最終処分政策について、ベルリンで思う

日本政府は7月28日、原発の使用済み燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分地に関する「科学的特性マップ」というのを発表した。このマップは、最終処分地の候補地探しの前提として、火山や活断層、地下資源の有無などの自然条件から全国を「好ましい」と「好ましくない」に大別したものである。新聞報道によって、全国の約65%が「好ましい」地域とされていると知って驚いた。世界中の原発所有国のほとんどが最終処分場を決められない中で、この65%という数字は、最終処分場を見つける困難さを示すものではない数字のように私には思えた。 続きを読む»