水力発電が日本を救う、ダム専門家の主張

去年10月、日本に一時帰国していた私は渓谷の紅葉を楽しむツアーに参加し、たまたま長野県大町市にある東京電力管轄下の高瀬ダムに行った。高瀬ダムは巨大な天然の石を積み上げた高さ176メートルのロックフィルダムで、富山県の黒部ダムにつぐ日本で2番目に大きいダムである。私はそこで大規模揚水発電が行われてきたことを知り、日本の水力発電に関心を持った。最近『水力発電が、日本を救う』というダム専門家の本を読んで、「目から鱗が落ちる」感じを味わった。

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トランプ政権誕生の衝撃の中で開かれた今年のベルリン映画祭

2月9日から19日まで開かれた第67回ベルリン国際映画祭は、ハンガリーの女性監督イルディゴ・エンエディ監督の映画「On Body and Soul」を金熊賞に選んで閉幕した。食肉処理場で働く男女の夢を中心にしたラブロマンスというユニークな設定と森の中の鹿のオスとメスの美しい映像が繰り返し現れるこの映画の金熊賞受賞は、政治的、社会的なテーマが中心と思われているベルリン映画祭としては異例の決定だと受け取った人が多かったようだ。しかし、映画祭の2日目に上映されたこの映画は、小品ながら素晴らしい映画として、私の印象に残っていた。今回は、トランプ政権誕生直後に開かれたベルリン映画祭の間、20本ほどの映画を見た私自身の個人的で独断的な感想をお伝えすることにする。

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新連邦大統領にシュタインマイヤー氏 ー 現大統領ガウク氏が退任にあたって国民に語りかけたこと 

2017年2月12日、これまでドイツの連邦外相を務めてきたフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー氏が、新たに連邦大統領に選出された。本稿では、シュタインマイヤー氏に大統領職を引き継ぐ現連邦大統領ヨアヒム・ガウク氏が、1月半ば、大統領府ベルヴュー宮殿で行った任期終了にあたっての演説について取り上げる。 続きを読む»

東ベルリンのとあるパン屋で

私の住んでいる地域は、ベルリンの北東、ブランデンブルク州との境目に位置する。初めてこの地域を訪れた時は、見渡す限りのプラッテンバウ(東ドイツ時代に建設されたパネル方式の鉄筋コンクリートのプレハブ集合住宅)に思わず息を飲んだ。洒落たカフェやレストランなどはほとんどなく、駅の近くに建っている大きなショッピングセンターが、団地住民の憩いの場となっている。 続きを読む»

Yes, we can

毎日、何千人もの難民がドイツに押しかけて来ていた昨年の夏の終わり。連邦内務相がドイツに来る難民の数を「年間では80万人になるだろう」と発表し、国民が動揺した。しかしその直後の記者会見で、メルケル首相は、オバマ米大統領の Yes, we can に匹敵するような「私たちはやり遂げます(Wir schaffen das)」という言葉を、繰り返し口にした。そして今もそれを繰り返す。難民は昨年、最終的には110万人ドイツにやってきており、それがドイツ社会を大きく揺さぶっている。ドイツ政府は、この一年間に何をやり遂げただろうか。 そしてドイツ社会は今、どうなっているだろうか。

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