2016年の独エネルギー消費

ツェルディック 野尻紘子 / 2017年3月5日

2016年のドイツのエネルギー消費は 、前年比で1.6%増えた。寒い天候が続いたこと、閏年で日数が1日多かったこと、100万人近い難民がドイツに押し寄せて来たために人口が急増したこと、経済が成長したことなどが理由だ。このため二酸化炭素の排出量も前年比で0.9%増加した。天候や閏年の影響を除いても増加率は0.6%になるという。エネルギーの研究機関であるAGエネルギービランツの発表による。

消費量が一番多かったのは石油で、前年比1.8%増。全エネルギー消費の34%を占めた。ディーゼルオイルと飛行機用のケロシンの増加が 影響した。

消費量が一番伸びたのは天然ガスで、前年比10.2%増。全エネルギー消費の約23%に達した。寒い日が続いたので暖房用の消費が増えたことに加えて、特に価格が低下したので発電用にも多く消費された。

石炭と褐炭が全エネルギー消費量に占める割合は石炭が12.2%、褐炭が11.4%で、前年比で前者が4%、後者は 3%減った。しかし両者の消費量はまだ再生可能エネルギーより多い。

昨年の再生可能エネルギーの伸びは風の弱い日が多く、太陽光もあまり強くない日が多かったので、あまり芳しくなかった。消費量は前年比で僅か0.2%しか増えず、全エネルギー消費に占める割合も12.6%にとどまった。

原子力がドイツのエネルギー消費に占める割合は年々減りつつある。昨年は前年比7%減って、全ネネルギー消費に占める割合が7%にまで低下した。これには2015年6月末のグライフェンラインフェルド原発の停止が影響している。

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