ドイツの政治家、CO2排出に代償金

ツェルディック 野尻紘子 / 2014年9月28日

政治家の夏休みも終わって、また世界規模の国際会議や外交活動の始まる季節になった。彼らが国際会議などに出席するために利用するのは主に飛行機だ。各地で問題が起こると、彼らが飛行機であちこちに飛ぶ頻度は更に増える。飛行機での移動は特に多くの二酸化炭素を排出する。ドイツの全国紙フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)によると、ドイツ政府は数年来、閣僚や連邦議会議員が公務のために飛行機に乗る場合、一人一回毎の環境負担に相応する環境破壊への埋め合わせとして“二酸化炭素代償金”を支払っている。

ドイツでは 連邦議会議長評議会が2008年、環境への負担を配慮して、公務旅行の際に発する二酸化炭素の害を国が代償すべきだと決めた。連邦政府はその1年前に、当時のジグマ・ガグリエル連邦環境相(現連邦経済・エネルギー相)が閣僚の旅行に関して同様の決定を下している。

ドイツ政府が2008年〜2012年の間に官僚、議員らの公務旅行のために発生した49万9126トンの二酸化炭素の埋め合わせとして支払った二酸化炭素代償金は991万ユーロ(約13億6758万円)だった。ここ数日前に可決された2015年度の国家予算案でも、連邦環境省の予算枠内に200万ユーロ(約2億7600万円)がこの目的のために用意されている。

独政府の支払った二酸化炭素代償金は、例えば、ナイジェリアでの“薪を節約する調理用コンロ”の普及や、インドでの風力発電装置の建設などという、発展途上国で進められているドイツの環境プロジェクトに使用される。

2013年にドイツの政治家が公務のために飛行機で飛んだ距離は大陸間が2億1500万マイル、国内飛行は7300万マイル弱、欧州内は5700万マイルだったという。

なお、この二酸化炭素代償金は、民間企業、または個人でも飛行機を利用する際に支払うことが出来る。

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