ドイツで二酸化炭素排出量が減少!

ツェルディック 野尻紘子 / 2014年8月17日

ドイツではこの冬が特に暖かかったことが主な理由で、今年上半期にエネルギーの消費量が前年同期比で8%も減った。自然エネルギーは増加したが、全ての化石燃料で消費が 減少しているので、二酸化炭素の排出量も大幅に減った。各種機関から発表される種々統計数値などを分析評価するエネルギーバランス研究会(AG Energiebilanzen)の発表による。同研究会は「既にこの8月の時点で、今年1年間のドイツの二酸化炭素排出量は前年以下になる」と予測している。これで、過去2年間続いたドイツの二酸化炭素排出量の増加は中断されることになる。

エネルギーバランス研究会によると、天候条件や他の特別な要因を除いても今年上半期のエネルギー消費量は前年同期比で1〜2%減少した。

今年上半期の石油の消費量は前年同期比で4%減だった。暖冬で暖房用オイルの購入が減ったのだ。これに対し自動車用燃料の販売は交通量の増加が影響して2%強増えた。特にディーゼルオイルの増加は4%と多かった。

天然ガスの消費は約20%も減った。特別寒かった2013年上半に比べ暖冬で春が早く来たため、暖房用の消費が少なかったのだ。コージェネレーション(熱電併給)も減った。また、化学業界での原料生産量の低下も影響した。

石炭の消費はマイナス7%弱だった。鉄鋼業界での消費が7.5%増えたのに対し、自然電力の増加で火力発電に消費された石炭が12%強減ったのが理由だった。褐炭の減少も4%弱で、主な理由は各地の火力発電所が点検のために止まっていた期間が長かったことによるという。

一方、自然エネルギーの消費は全体で1%強増加した。水力発電は28%減ったが、陸上の風力発電は22%、洋上風力発電は9%増加した。太陽光発電の増加は27%だった。なお、自然エネルギーが電力消費に占める割合は前年同期の24.6%から今年上半期に28.5%に上昇した。

自然エネルギーの増加と天候による一次エネルギー消費の縮小が寄与して、 ドイツの今年上半期の化石燃料への依存度は やや減少して80%以下に、自然エネルギーへの依存度は11.5%になった。

各エネルギーの消費割合は前年同期に比較して以下のように変更している:

2014年 2013年
上半期 上半期
石油 33.5% 32.5%
天然ガス 22.0% 25.3%
石炭 12.6% 12.4%
褐炭 11.8% 11.3%
原子力 7.9% 7.4%
自然エネルギー 11.5% 10.5%
その他 0.7% 0.8%

 

出典:  エネルギーバランス研究会(AG Energiebilanzen)

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