やっと決まった再生可能エネルギー優先法の改正方針

こちゃん / 2014年1月26日

ドイツの電気料金が徐々に高くなる原因だとして、各方面から改正が強く要請されている再生可能エネルギー優先法(略称 :再生可能エネルギー法、EEG)の改正方針が、1月22日にドイツの新政府の閣僚会議で決定された。改正方針の主な内容は、①促進する再生可能電力の新規発電容量を限定する、②電力の固定買取り価格を下げる、③大量発電者には固定買取り価格の代わりに発電者自身が電力を市場で売却することを徐々に義務づけ、それにより送電網への負担を軽減するなど。復活祭(今年は4月20日)までに詳細を決定し、6月に連邦議会を、7月に連邦参議院を通過させ、8月1日施行に導く段取りだという。年末になると予想されていた法改正が4ヶ月も早いスケジュールで実現する見通しになり、ガブリエル新経済・エネルギー相に好感が寄せられている。

方針ではまず、再生可能電力展開の目標値として、2025年までに全電力生産量の40〜45%、2035年までには55〜60%を挙げている。これは以前からの目標値の下限に相当する。2050年の80%という以前からの目標値も残る模様だ。

電気料金高騰の原因であるとされる、再生可能電力促進のために消費者がEEGの規定に基づいて支払う賦課金(これは電力取引所での電力取引価格とEEGで定められた再生可能電力促進のための割高の固定買取り価格との差から生じる。問題は、現在取引所での価格が低下しているために、価格差が広がっていることだ)をこれ以上膨張させないために、第一に、これから促進する発電容量を限定する。太陽光発電と陸地の風力発電の場合は促進容量をそれぞれ年間2500 MWまで、バイオマスの場合は100 MWまでに限る。その範囲を超えた場合には、固定買取り価格が低下する。洋上風力発電だけは2020年までに合計で6.5 GW促進される。発電容量が今までのように激増しなくなると、送電網敷設との調整(シンクロナイゼーション)への圧力も低下する。

さらに、現在1 kWh当たり平均で17ユーロセント(約23.8円)の再生可能電力の固定買取り価格を、2015年までには平均12ユーロセント(16.8円)に抑える。ただし、現在既に買い取られている電力は、現行法で買取り価格が20年間保証されており、これを覆すことは政治不信を招くので、既存設備に関しての変更はない。また、現行の買取り価格が支払われるのは、この1月22日までに設置許可が降りており、2014年12月31日までに稼働を開始しする装置に限られる。法改正直前に申請が殺到することを防ぐ処置という。

固定買取り価格が一番大きく下がるのは陸の風力発電だ。2015年には2013年比で10〜20%減に絞り、上限を1 kWh当たり9ユーロセント(12.6円)にする。太陽光発電は既存設置容量が大きく、買取り価格は既に低下している。これに対し洋上風力発電には今も高い買取り価格が支払われているし、2018年からも毎年1ユーロセント(1.4円)減少するだけだという。理由は、強い風が常時吹く洋上にある風力発電装置は、常時発電が可能で、ベース負荷を担える装置に近いと見なされるからだ。

バイオマス発電に関しては、主に有機ゴミから生産される電力のみを促進するという。つまり畑で食糧用の作物と栽培競争になるトウモロコシなどを使用するバイオマス発電の促進には力を入れないということだ。

一方、電力生産者が自ら電力を市場に提供することが義務になる。現在は大型発電装置だけに該当するこの規定は、2015年から発電容量500 kW以上の新設装置で生産される電力、2017年からは容量100 kW以上の装置で生産される電力に適応されるようになる。100 KWというのは、大型スーパーの屋根の面積ぐらいだ。この義務により、生産者が電力需要の多い時間帯に発電し売却することが望まれる。そうすれば送電網への負担も軽減できると見られるからだ。

なお今回は、電力消費量が多く国外企業と競争する立場にある企業に対する賦課金の一部免除や、気候に左右される自然電力が供給されない時のために待機させておく発電能力(通常は稼働せず、電力不足時にのみ発電する)をどうするか、さらには自家発電者に対する賦課金の一部負担など、詳細のはっきりしない部分もまだかなり多い。

参考までに、業界団体が発表した2013年に新設された各種発電容量を記載する。

太陽光発電装置         3300 MW
陸上風力発電装置     2900 MW
洋上風力発電装置       200 MW
バイオマス発電装置  250 MW

なお、太陽光発電装置の新規設置容量(同じく業界団体発表)は

2010年                       7400 MW
2011年                       7500 MW
2013年                       7600 MW

と非常に多く、これが賦課金を大きく膨らませた。

 

 

 

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