ちょっと変わったブンデスリーガ順位表

まる / 2012年11月4日

2012−13年ブンデスリーガ順位表 グリーンピース作成

日本人選手がさらに増えて、日本での注目度が上がるブンデスリーガですが、この順位表をご覧下さい。うーん、何かいつもと違う…首位はホッフェンハイムになっているし、最下位は昨季の王者ドルトムント。実はこれ、グリーンピースが、ブンデスリーガ各クラブのメインスポンサーを、エコ度を基準に厳しくチェックして毎年作成しているブンデスリーガの順位表なのです。

この順位表から、日本人選手が所属するクラブのランキングとその理由をご紹介します。

1位 ホッフェンハイム(宇佐美貴史)太陽光発電モジュールメーカー、サンテック社

「太陽光発電なくしてエネルギー転換なし」。世界市場リーダー、中国のサンテック社により、ホッフェンハイムが去年に続き1位。同社は高い環境基準を持つ。

4位 レバークーゼン(細貝萌)太陽光発電のサンパワー社

米国のサンパワー社は、フィリピン工場での環境・労働基準について公表しなかったため批判されたが、最近オープンになってきた。

7位 フランクフルト(乾貴士)ビール醸造のクロムバッハー社

クロムバッハー社は、WWF(世界保護基金)によるインドネシアの森林保全プロジェクト)に収益金の一部を寄付する一方、F1のスポンサーもしている。同社のビールではなく、地産のビールを買った方が環境のためには良い。

9位 ニュルンベルク(清武弘嗣)格安衣料品メーカーのNKD社

NKDのTシャツは、商品テストで酷い評価だった。クオリティーは悪く、布地のプリントにはホルムアルデヒドが使われている。縫製工場での労働条件については沈黙。

11位 ウォルフスブルク(長谷部誠)自動車メーカー、フォルクスワーゲン社

フォルクスワーゲン社は、気候保護において先端を行けるはずであったが、新モデルのゴルフは期待はずれ。技術的にはもっと低燃費の車が可能であった。

12位 ハノーバー(酒井宏樹) 旅行会社TUI

飛行機と客船は気候にとって致命的。それでも、TUIの飛行機はシートが多いので、他社の機体よりもいくらかは効率的である。

13位 シュツットガルト (岡崎慎司、酒井高徳)メルセデス・ベンツ銀行

3つの星のついた車(メルセデス・ベンツ)、市場で最もガソリンを食う車に出資している。そのためダイムラー社は、EUのCO2削減目標を緩和させようと働きかけている。

17位 シャルケ(内田篤人) ロシアのエネルギー企業ガスプロム

ガスプロム社はペチョラ海で油田開発を進め、自然天国で惨事を起こすリスクを冒すつもりだ。北極海に手を出すな!

ちなみに、ニュルンベルクのメインスポンサーは、昨季までフランスのアレバ社(世界最大の原子力産業複合企業)で、このグリーンピースの順位表ではもちろん最下位でした。福島での原発事故の後、シュピーゲル誌が、「そんな会社を胸のスポンサー(メインスポンサー)にしていいのか?」という内容の記事を掲載したのを覚えています。

胸のスポンサーで注目されたといえば、今季ではブレーメンのヴィーゼンホーフ社でした。ヴィーゼンホーフ社は大規模な養鶏所を各地で営み、動物愛護団体などから糾弾されていて、ネガティブなイメージがつきまとう会社です。

ブレーメンというチームは経済的にあまり恵まれない中、他のリーグやチームで活躍できなかった選手たちを成長させ、魅力的な攻撃サッカーをして一時はチャンピオンスリーグの常連になっていた、非常にポジティブなイメージのチームでした。ですから、ヴィーゼンホーフ社が新スポンサーとして発表された時にはかなりの批判を浴び、一部のクラブ会員が脱会したほどでした。

ドルトムントが最下位になっていますが、それはメインスポンサーの総合化学企業エボニック社が石炭発電所を9つ運営し、さらなる発電所を建設する予定だからだそうです。

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2 Responses to ちょっと変わったブンデスリーガ順位表

  1. Koba Kenzo says:

    中国製の太陽光モジュールがダンピング容疑。こんなモジュールがスポンサーになっているスタジアム、次回の評価はどうなることやら。

  2. みづき says:

    面白いリストですね。
    ブレーメンが、ほかのチームで活躍できなかった選手を成長させることで
    評判の高いチームだとは知りませんでした。
    ドイツに住んでいると、サッカーを知ることが社会を知ることに
    つながる、と感じる場面も多いので、勉強になります。

    しかし、スポンサーのエコ度が低くて気に入らないから、
    会員が脱退するとは、ドイツ人は政治に対してアツイですよね。
    日本人として見習いたいポイントです。